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WTO改革にTPPを使え!

中国の行動を規制するためにWTO改革が必要だ

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

 TPPの活用である。アメリカが中国に対して懸念していることの全てはTPP協定がカバーしている。これは、当然アメリカも理解していると思われる。だから、TPPから脱退したトランプも、良い条件が得られるならという留保を付けたが、TPPに復帰してもよいという発言をしたのだろう。

 タイ、インドネシア、韓国、台湾、イギリス、コロンビア等を加入させてTPPが拡大し、また、アメリカがTPPに復帰して来るなら、TPPは巨大な自由貿易圏を形成することになる。そうなると、中国もTPPに参加せざるを得なくなる可能性が高まる。

 中国がTPPに参加しない場合でも、1993年以降の世界貿易の変化を反映したTPP協定の規律をWTOに採用するよう働きかけることができる。これについては、EUも賛成するだろう。TPPのルールを世界のルールにするのである。単なる先進国だけの提案ではなく、アジア太平洋地域の途上国も合意したTPPの協定をWTOに持ち込むことについては、中国も反対しにくい。

WTOの紛争処理機能の回復を

 また、中国については、現在のWTOの規律も遵守していないという問題がある。

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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。20年東京大学公共政策大学院客員教授。「いま蘇る柳田國男の農政改革」「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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