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英国で死刑について考える

賛成?反対?議論の糸口を探る、日本で必要な死刑制度の情報公開

小林恭子 在英ジャーナリスト

 7月、オウム真理教の元教祖や幹部13人に対し、死刑が執行された。欧州連合(EU)が執行を非難する声明を出したが、日本国内では「内政干渉」として反発する意見がネット上で散見された。英国での死刑制度廃止までの過程を振り返りながら、維持派と反対派の理由、今後の議論の糸口を考えてみたい。

 筆者が住む英国で最後に死刑が執行されたのは、1964年。半世紀以上にわたって死刑という選択肢を持たない国にいると、同じく先進国の1つである日本での死刑執行は衝撃以外の何物でもない。しかも、二ケタ台の執行だ。新たな死によって、一体何が達成できるのかと問いたい思いにかられた。

 死刑執行から間もなくして日本に住む母に電話をすると、今回の死刑執行が話の中に出てきた。母は「そうしないと、遺族の気持ちの収まりがつかない」という。意見を求めたわけではないのだが、すぐに思い浮かんだのが遺族のことだったのだろう。

 「遺族や犠牲者の感情に報いる」ために死刑という形での懲罰が下ることに対し筆者は違和感を持つが、改めて死刑制度の賛成・反対の両者の意見を整理し、考えてみたいと思った。

 以下では、戦争での殺害行為は対象とせず、罪を犯した者に死刑という形で極刑を与える行為を取り上げる。

死刑制度のこれまでと廃止に向けた世界的な流れ

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筆者

小林恭子

小林恭子(こばやし・ぎんこ) 在英ジャーナリスト

秋田県生まれ。1981年、成城大学文芸学部芸術学科卒業(映画専攻)。外資系金融機関勤務後、「デイリー・ヨミウリ」(現「ジャパン・ニューズ」)記者・編集者を経て、2002年に渡英。英国や欧州のメディア事情や政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。「新聞研究」(日本新聞協会)、「Galac」(放送批評懇談会)、「メディア展望』(新聞通信調査会)などにメディア評を連載。著書に『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス(新書)』(共著、洋泉社)、『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)。

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