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個人のタブレットを持たせて通学させる時代が来る

生徒一人一人が個人所有のタブレットを使って授業をする波は公立校にも押し寄せる

岩崎賢一 朝日新聞記者

「入学時にタブレット購入」8~9割が理解

 横須賀高校は通信環境を整えたものの、私立学校のように普通教室へのプロジェクターや電子黒板、大型モニター、個人所有のタブレットといったものは見当たらない。

 それでも公開授業を見に来た教師ら教育関係者を前に、九石美智穂校長は「これからの時代、ICTは不可欠。生徒が課題研究をしていく上でも、情報収集や調査、そして情報の共有や蓄積になくてはならないツールです」と強調した。

 授業で活用するには、教師が新しい視点で授業計画を作る必要がある。かえって授業の進度が遅れては本末転倒だ。

 横須賀高校はまだまだ試行錯誤中だが、方向性に揺るぎはない。九石校長は「ツールとしてICTで色々なことができることが分かってくると、生徒も先生も工夫するようになり、時間の有効活用や探求活動の活性化につながってきます」と話す。子どもを巡るインターネットの話題となると、SNSによるリスクが強調されがちだ。「学校や大人が安全性を心配しますが、モラルを含めた情報リテラシー教育とともに、ICTの発展や活用に技術的、創造的に対応できる人材育成こそが大切」とも言う。

 いずれは入学時にタブレットまたはノートパソコンを購入してもらうことを慎重に検討している。保護者へのアンケートでは8~9割に理解を得られているという。

拡大教師がタブレット、生徒がスマートフォンを使った数学の授業=神奈川県立横須賀高校の公開授業

「生徒1人に1台は必要」

 東京都世田谷区の住宅街にある中高一貫の私立鷗友学園女子中学高等学校は、今年4月に高校1年になった生徒から、個人所有のタブレット、ノートパソコン、スマホを学校に持ち込み、授業や課外活動で積極的に使用していくことを認めた。

 各教室には無線LANが整備され、教室の天井中央にはプロジェクターが備え付けられた。2カ所あったコンピュータールームのうち、1カ所はすでに備え付けの学校教育用のパソコンが撤去されていた。

 狙いは何か。教務・学習指導統括部長の福井守明教諭は「社会で求められる力をつけていこうと考えたからです」と語る。「中学、高校で学びが完結するのではありません。大学、その後の社会人にもつながっていくものです。私たちは能動的に学ぶ力を付けさせたいと思っています。そのためには、生徒1人に1台は必要でした」。アクティブラーニングへのシフトだ。

 1学年240人あまりだが、無線LANに接続するために必要なICT機器ごとのアカウントの希望数は580ほどあった。生徒1人当たり平均2.4台。学校で生徒と教員が利用するアプリは、様々な教科への汎用性の高い「ロイロノート・スクール」やグーグルの学校向けソリューション「google classroom」、アプリ「Quizizz」などだという。

 学校全体としては、導入の過渡期であるため、高校2年、3年は、学校で用意した共用のタブレットを授業や課外活動ごとに使うようにしている。

拡大個人所有のICT機器を持ち込み、授業に活用することを示すBYOD(Bring Your Own Device)に関する鷗友学園のホームページ

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筆者

岩崎賢一

岩崎賢一(いわさき けんいち) 朝日新聞記者

1990年朝日新聞社入社。くらし編集部、政治部、社会部、生活部、医療グループ、科学医療部などで医療や暮らしを中心に様々なテーマを生活者の視点から取材。テレビ局ディレクター、アピタル編集、連載「患者を生きる」担当を経て、現在はオピニオン編集部で「論座」編集を担当。『プロメテウスの罠~病院、奮戦す』『地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン』(分担執筆)。 withnewsにも執筆中。

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