クラウドファンディング31歳女性CEOの挑戦
誠実、真摯に向き合っている人じゃないとお金を集めるのは難しい
岩崎賢一 朝日新聞社 メディアデザインセンター エディター兼プランナー

クラウドファンディング大手「READYFOR」代表取締役CEOの米良はるかさん(31)。本社を訪ねると、ひっそりとした本郷の住宅街にあった
資金を支援する見返りとしてプロジェクトが提供する権利や品物、礼状などをもらう購入型クラウドファンディングが、今や年間のべ50万人が支援に参加する規模にまで成長してきた。大型案件も増え、病院や大学といった公共性が高い機関でも活用する時代に入った。
クラウドファンディングの大手の「READYFOR」(レディーフォー)は、先ごろ第三者割当増資を行い、総額5.3億円を資金調達した。新たなウィングをどこに広げていくのか、今、どのような分野に必要とされているのか、代表取締役CEOの米良はるかさん(31)に聞いた。
資金調達する人も、支援する人も、30~40代が中心
地下鉄大江戸線の春日駅を降り、古い住宅街を歩くと、同社の本社が入るビルがある。六本木や品川、二子玉川、恵比寿、渋谷に本社を構える成長著しいIT系新興企業とは趣が違う。
東日本大震災直後の2011年3月29日にサービスをスタートし、2014年7月、現在の形になった。社員は約70人。毎月150件から200件のプロジェクトが新たな支援を求めている。
今年3月29日現在、これまで扱ったプロジェクトの累計数は7950件で、今ではすでに累計9000件を超えているという。クレジットカード決済が8割を占める。支援総額は毎月2億円弱で、これまでの累計は56.2億円になる。
資金調達する人も、支援する人も、30代から40代が中心だ。毎月の支援者の40%はリピーターだという。男女比はほぼ変わらない。
プロジェクトへの支援総額が目標金額に達成するまではあくまでも「予約」だ。目標金額達成への道筋をサポートする、同社のオペレーションを改善したことで、最近1年間の達成率は75%になっているという。
米良さんは、「震災の直後で、人々の行動に変化があり、社会的に必要な活動をするところにお金が流れていくことが根付いたのだと思います。多様なジャンルで多くの方々が応援してくれる仕組みが定着してきています。これからも選ばれるサービスにしていくためには、より良い価値をユーザーのみなさんに提供するために投資が必要だと思っています」と話す。