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シャープ亀山工場 日系外国人3千人を“首切り”

アップル、鴻海、シャープのものづくりを支えてきたのは日系外国人たちだった

多田敏男 週刊朝日副編集長

「安定した仕事がある」と誘われ、亀山に移住してきた

拡大シャープ亀山工場=2017年3月14日、三重県亀山市白木町
 問題なのはその雇用形態だ。この人材会社グループでは、1~2カ月の短期雇用として採用。期限がくるといったん退職したことにして、グループ内の別の企業で新たに雇うことを繰り返していたという。

 なぜこのような手間が掛かることをするのか。社会保険料の支払い義務を、会社側が免れようとすることが理由の一つだ。

 厚生年金保険や健康保険は、短期雇用の従業員であっても、一定の条件を満たせば企業側に保険への加入を義務づけている。勤務の時間や日数が正社員の4分の3以上で、2カ月以上勤務する場合などが対象だ。保険料は労使折半で、企業側が国に納める。2カ月未満の短期雇用だと主張することで、会社側の負担を大きく減らせるのだ。

 こうした短期の雇用形態だと労働者の立場が不安定になり、会社側の都合で仕事が一気に失われる危険性が高まる。

 労組側によると、今年2月ごろから工場の生産量が落ち込み、従業員の給料も減った。一時30万円以上あった月給が、10万円近くまで下がった人もいた。収入減で辞める人も出るなか、人材会社グループは雇い止めも通告し、約2900人が退職したという。

 日系外国人は「安定したいい仕事がある」などと誘われ、全国から亀山市に移住してきた。急に仕事がなくなり、新しい仕事も見つからないことで、生活の維持が難しくなっている。中には、アパートを出て車上生活をしている人もいるという。

 労組側の会見には、日系外国人4人も同席し、問題の深刻さを次のように訴えた。

「安定した仕事があると信じ込んで入った。昨年12月ごろから急に首切りが始まった。入ったばかりなのに、なぜ急に切るのだと思った」

「仕事中に転んでケガをし、労災を申請しようとしたが、人材会社の担当者に相手にされなかった。文句を言うとすぐ首にされる。いまは生活に困っている」

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筆者

多田敏男

多田敏男(ただ・としお) 週刊朝日副編集長

朝日新聞入社後、福岡社会部、経済部、労働問題取材グループ、特別報道部などを経て現在、週刊朝日副編集長。

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