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新「悪の枢軸」? 米国・ロシア・サウジ

ポーランドで開催中のCOP24で米ロとサウジを包囲する国際政治が展開されている

山口智久 朝日新聞オピニオン編集長代理

口火を切ったのは小島嶼国連合のモルディブだった

 COP24での全体総会や記者会見の動画は、ウェブサイトで見られる。対立の様子を再現しよう。気候変動交渉の雰囲気が少しでも味わっていただければと思う。

 事前交渉を経て、全体総会に提示された議長案では「1.5度特別報告書を留意する(noted)」となっていた。議長がこれを採択しようとした時、小島嶼国連合(AOSIS、39カ国)を代表してモルディブが発言を求めた。

拡大IPCCの特別報告書を「歓迎する」ことを求めるモルディブの交渉官=2018年12月9日、ポーランド・カトビツェのCOP24で(COP24のウェブサイトから)
「私たちが求めたこの特別報告書を、なぜ『歓迎』できないのか、理解できない。この報告書は、気候変動に対処するには緊急を要すことを示してくれた。最良の科学を歓迎できなければ、世界にどんなシグナルを発してしまうだろうか。特別報告書を『歓迎』することを強く求める」

 これに対し議長は「留意する(noted)を歓迎する(welcomed)に修正することを提案しているのか」と問うと、モルディブは「それを提案しています」と答えた。

 どういうことか。「留意する」では、報告書の存在を認めるだけで、その内容までは認めていない、と解釈できる。今後、報告書に基づいて議論しようとすると、国によっては「いやいや、報告書の内容までを我々は認めていないので、それを前提に議論するのはおかしいでしょ」と反論されてしまう可能性がある。世界の平均気温が1.5度上昇するだけでも大きな影響を受けやすいAOSISからすれば、特別報告書を「歓迎する」ことで、その内容も含めて存在を認め、今後の議論の土台にしたいのだ。

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筆者

山口智久

山口智久(やまぐち・ともひさ) 朝日新聞オピニオン編集長代理

1970年生まれ。1994年、朝日新聞社入社。科学部、経済部、文化くらし報道部で、主に環境、技術開発、社会保障を取材。2011年以降は文化くらし報道部、経済部、特別報道部、科学医療部でデスクを務めた。2016年5月から2018年10月まで人事部採用担当部長。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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