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ふるさと納税で大きい、ポータルサイトの存在

自治体のポータル利用実態に関する全国調査が必要だ

平田英明 法政大学経営学部教授

納税額の10%程度がポータルへの手数料に

 ポータルサイト(以下、ポータル)は、ふるさと納税の申し込みの仲介手数料等(以下、手数料)を各自治体から得る。手数料について、ポータルはほとんど情報開示を行っておらず、ブラックボックスの状態だ。しかし、愛知・岐阜・三重の3県における地方自治体に関する調査で、ふるさと納税額の10%程度がポータルへの手数料に用いられていることが、先日明らかになった(注2)。仮に、同等の手数料が全国の自治体にも適用されているならば、総額370億円程度の税金が自治体からポータルへ支払われている計算となる。なお、今夏に実施した私の研究室の学生調査でも5~12%という似たような水準の手数料が報告されている。

(注2)東海テレビ「ふるさと納税 市町村が受けた寄附の“10%超”がサイトへの手数料等に 東海3県独自調査で判明」2018年12月6日

 各ポータルのサービス内容は区々だ。最も典型的なのが、全国の自治体名とその概要をあまねく掲載し、手数料を払っている自治体に関してのみ、ふるさと納税をポータル内で行えるタイプだ。例えば、ある大手ポータルの場合、自治体名が濃字と薄字で紹介され、濃字についてはポータル内納税ができる(全自治体の8割程度)。ポータル内で納税できるということは、決済情報を一度入力すれば、同ポータル内で濃字掲載されている自治体への納税も簡単に行うことができ、納税者にとっては便利だ。一方、薄字については、簡単な自治体紹介があるだけで、納税はできない。一見、紹介しているようだが、実際には薄字の自治体は納税しにくい印象を与えている側面もある。

 また、この典型例とほぼ同じだが、太字の一部自治体については外部ポータル(他ポータルや自治体の用意する納税サイト)へ誘導するタイプも存在する。この他、限られた数の自治体のみを掲載する一方、高級商品に絞った品揃えでポータル内納税ができるようにする特化型タイプもある。つまり、ポータルごとの特徴は、納税が直接できるか否か、品揃え(自治体揃え)が包括的か部分的かで区別される。

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筆者

平田英明

平田英明(ひらた・ひであき) 法政大学経営学部教授

1974年東京都生まれ。96年慶応義塾大学経済学部卒業、同年日本銀行入行。調査統計局、金融市場局でエコノミストとして勤務。2005年法政大学経営学部専任講師、12年から現職。IMF(国際通貨基金)コンサルタント、日本経済研究センター研究員、ハーバード大学客員研究員などを務める。経済学博士(米ブランダイス大学大学院)。専門分野は国際マクロ経済、金融。近著は”Differentiated Use of Small Business Credit Scoring by Relationship Lenders and Transactional Lenders.” Journal of Banking and Finance、”Accounting for the economic relationship between Japan and the Asian Tigers.” Journal of the Japanese and International Economies、”Tax reform in Japan: Is it welfare-enhancing?” Japan and the World Economy、”Global House Price Fluctuations: Synchronization and Determinants.” NBER International Seminar on Macroeconomics 2012など。