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文在寅政権の命運は「経済」が握る

深刻な失業問題、じりじり下がる支持率。今後注視すべきは韓国経済の動向だ

稲田清英 朝日新聞オピニオン編集部次長

最も関心の高い政策テーマは「経済」 

 私は過去10年あまり、韓国の経済や社会課題、人々の暮らしなどを取材してきた。2008年から3年間、特派員として韓国各地を歩き、帰国後も毎年のようにソウルや地方を訪れている。急速な経済成長を遂げ、サムスンやLG、現代自動車といった世界ブランドも輩出した韓国だが、最近は成長も鈍り、貧富の格差や急速に進む少子高齢化、不十分な社会保障、といった課題が山積だ。5年ごとに選ばれるどの大統領にとっても、「経済」は政策の最大のテーマの一つであり、国民の関心も高い。

 少し時計の針を戻してみたい。

 文在寅氏が勝利した2017年の大統領選。投票日まで1カ月を切ったころ、私は取材で韓国にいた。文在寅氏の優勢が伝えられるなか、新しい大統領に何を期待するのか――。ソウルや釜山の街中を歩き回り、行き交う人々に話を聞いた。

「清廉潔白。これしかないでしょう!」

 釜山大学の近くで会った学生が開口一番、言い切ったのが印象的だった。そして、求める政策として関心が高いと感じたのは、暮らしの改善、雇用の創出といった経済関連だった。勤め帰りの会社員から就職活動中の学生まで様々に、経済を良くしてほしい、という声を聞かせてくれた。

 当時書いた新聞記事でも紹介したが、交際中の女性との結婚を考えているという30歳代の会社員の男性の言葉を、今もよく覚えている。「新大統領にはぜひ、経済や雇用が安定し、多くの仕事が生まれるような施策を進めて欲しい。誰がなっても、それが一番の望みですね」。多くの韓国の人々の切実な声でもあったと思う。

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筆者

稲田清英

稲田清英(いなだ・きよひで) 朝日新聞オピニオン編集部次長

1972年生まれ。1997年に朝日新聞社に入り、東京本社や西部本社(福岡)の経済部を経て、2006年にソウルに留学して韓国語を学んだ。2008~11年にソウル支局員。東南アジアや中国、欧州などでも出張取材。2018年7月から現職。共著に「不安大国ニッポン」(朝日新聞出版)など。

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