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多様性を認め合う 5宗教共存の幼稚園@つくば

宗教的背景が違う人々との共存を、外国人が多く暮らすつくば市の幼稚園を舞台に考えた

岩崎賢一 朝日新聞記者

拡大外国人が多く暮らす茨城県つくば市の桜南幼稚園の給食の様子

 多民族が暮らす社会は、多様な宗教が共存する社会でもある。

 外国人研究者らが多く住む茨城県つくば市の公立幼稚園に子どもを通わせている母親から朝日新聞の「声」欄に投稿のメールが届いた。タイトルは「宗教が違っても仲良く」。無宗教が一番多いと言われる日本人は、宗教上の制約に疎い。どのような取り組みをしているのか、知りたくなった。

「宗教が違っても仲良く暮らせていけそう」

 茨城県つくば市の主婦、福岡由佳さんから届いたメールは、2018年9月26日の朝日新聞東京本社版の「声」欄に掲載された。

幼稚園で学ぶ5つの宗教の共存
 私の子どもが通う幼稚園には昨年、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教を信仰する家庭のお子さんが通っていました。日本人の中に、神道と仏教を信仰する家庭の方がいるであろうことを考えると、五つの宗教が存在していたことになります。
 イスラム教の家庭のお子さんは、お肉や調味料(みりん、日本酒などのアルコール)が教義にかなわないため、給食ではなく、お弁当を持参しています。クリスマス会と、ラマダン後の数日は欠席しています。
 例年、幼稚園で収穫したじゃがいもを調理してカレーライスを作って食べていました。今では、イスラム教とヒンドゥー教の家庭のお子さんに配慮して、ふかし芋やポテトサラダにメニューを変更し、みんなで一緒に食べます。保護者の交流会のお菓子は、アルコールや牛肉が含まれないものに変更しました。
 宗教上の理由で、食べ物や習慣に配慮が必要ですが、おおむね、子どもたちは同じ行事や遊び、歌、お遊戯を体験し、親も大きな問題なく、幼稚園生活を送っています。宗教は違っても、お互いになかよく暮らしていけそうです。日本は素晴らしい国だと思います。

 福岡さんの子どもが通う幼稚園は、つくば市立桜南幼稚園だ。

 宮本由美子園長によると、現在4歳児と5歳児の計43人を6人の教職員がみている。両親が外国人の子どもは、フィリピン人2人、チュニジア人1人、インド人1人の計4人がいる。「来年は、韓国とパキスタンの子が入園する予定です」と説明する。

 掲載後、福岡さんを訪ねた。つくばという土地柄、「ここの幼稚園は、日本人でも外国で暮らし、そこで寂しい思いをしたことがある人がいるから、外国人の母親の気持ちを察することができる面があるのかもしれません」と話す。

 地域で一緒に暮らしていて感じるのは、宗教を背景にした生活習慣の違い、ギャップだ。

拡大投稿を送ってくれた福岡由佳さんと、子どもが同じ幼稚園に通うウェスラティ・カウラさん

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筆者

岩崎賢一

岩崎賢一(いわさき けんいち) 朝日新聞記者

1990年朝日新聞社入社。くらし編集部、政治部、社会部、生活部、医療グループ、科学医療部などで医療や暮らしを中心に様々なテーマを生活者の視点から取材。テレビ局ディレクター、アピタル編集、連載「患者を生きる」担当を経て、現在はオピニオン編集部で「論座」編集を担当。『プロメテウスの罠~病院、奮戦す』『地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン』(分担執筆)。 withnewsにも執筆中。

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