メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

無料

著作権保護期間「最終20年条項」+α

神様から著作権法を一ヵ所だけ変える力を貰ったら(1)

生貝直人 東洋大学准教授

保護期間延長とデジタルアーカイブ

 本連載で著作権改革案を最初に提案させて頂く生貝直人です。

 開幕の辞を執筆された福井健策先生が世話人を務める「著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(think C)」の発足当初にスタッフとして参加したことをきっかけに、今日まで10年以上、延長問題をはじめとする著作権制度のあり方について勉強をさせて頂いてきました。

 ご存じの通り、TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の発効に伴い、日本の著作権保護期間は2018年12月30日をもって20年間の延長がなされました。

 この影響は著作物の利用と創造を行う全ての人々にとって計り知れないものですが、目下最も直接的な打撃を受けるのが、過去の知の蓄積をオンライン公開し、誰もがアクセス可能な、情報社会の知のインフラを作り出すデジタルアーカイブ構築の取組です。

 200万点以上のデジタル化資料を収録する国立国会図書館デジタルコレクション、日本中の博物館・美術館の所蔵作品を公開する文化遺産オンラインなどの公的な文化施設が担うもの、そして青空文庫のようなボランティアの取組など、さまざまな機関・団体がデジタルアーカイブの構築を進めてきていますが、これから20年間、日本では、保護期間が満了して新たにデジタルアーカイブで公開可能となる著作物は、ほぼ生まれてきません。

 私自身、保護期間延長問題、そして産官学の様々な立場からデジタルアーカイブの構築と関連する法制度の研究に携わってきた立場から、今般の保護期間延長が情報社会の知のインフラ構築に与える影響を出来る限り軽減するための「非常に控えめな提案」と、そしてそれに加えて「少し野心的な+αの提案」を、今回はご紹介させて頂こうと思います。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


関連記事

筆者

生貝直人

生貝直人(いけがい・なおと) 東洋大学准教授

1982年生まれ。2005年慶應義塾大学総合政策学部卒業、2012年東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。東京大学大学院情報学環客員准教授、東京芸術大学特別研究員等を兼務。国立情報学研究所特任研究員、東京大学附属図書館・大学院情報学環特任講師、情報通信総合研究所研究員等を経て2018年4月より現職。著書に『情報社会と共同規制』等。専門分野は情報政策の国際比較。