メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

無料

著作権保護期間「最終20年条項」+α

神様から著作権法を一ヵ所だけ変える力を貰ったら(1)

生貝直人 東洋大学准教授

終わりに

 以上をまとめますと、私が「神様から著作権法を一ヵ所だけ変える力を貰ったら」、著作権法31条を改正して、せめて米国型の108条(h)項相当の「最終20年条項」を導入する、いやそのような控えめなことは言わず、EU型のより広く絶版作品全体のデジタルアーカイブ公開を可能とする条項を導入したい、ということになります。

 本提案は、あくまで非営利のデジタルアーカイブを念頭に置いたものであって、保護期間延長がもたらす創造のサイクル全体へのダメージに対応できるものではありません。それに米国やEUがすでに実現している(しようとしている)施策をほとんどそのまま導入しようという、いかにもクリエイティビティに乏しい提案です。

 しかしそれだけに、誰も損をしない、そして実現性の高い内容だと思っています。本連載の錚々たる執筆陣の先鋒として、地味でも手堅い提案をお届けできていれば幸いです。

拡大

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

生貝直人

生貝直人(いけがい・なおと) 東洋大学准教授

1982年生まれ。2005年慶應義塾大学総合政策学部卒業、2012年東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。東京大学大学院情報学環客員准教授、東京芸術大学特別研究員等を兼務。国立情報学研究所特任研究員、東京大学附属図書館・大学院情報学環特任講師、情報通信総合研究所研究員等を経て2018年4月より現職。著書に『情報社会と共同規制』等。専門分野は情報政策の国際比較。