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2. 「南進」中国と「引き潮」米国がもたらす地域バランスの不安定化

 米国は昨年末、両派議会の圧倒的支持を得て「アジア再保証推進法」を設立させた。米国がインド・太平洋地域への関与を改めて強めることを定めた法律で、今後5年間で15億米ドルをアジアの軍事・経済支援に注ぐことになる。が、身を引いてきた米国が戻る場所はすでにないのではないか、と思うほど東南アジアでは中国の南進が進んでいる。

 海での覇権主義に比べあまり目立たないが、ここ1、2年、中国のアジア問題担当特使、孫国祥(Sun Guoxiang)氏のミャンマー訪問が活発化している。孫特使は、ミャンマー中央政府と、民族紛争を続ける4民族で構成される「北部同盟」の仲介を続けていて、国としても和平交渉進展のために300万米ドルを拠出。中国はすでに、ミャンマー和平の大きな鍵を握る存在になっている。

拡大中国製の携帯電話も数多く並ぶホーチミン中心街の電器店=2019年1月22日、筆者撮影

 中国の東南アジアICT市場への浸透も早いスピードで進んでいる。中国製品の携帯電話やコンピュータのマーケット浸透度は抜群。ファーウェイと共同研究するシンガポール企業や日本企業なども数多に上る。東南アジアとの「インターネット経済圏」構築を目指して中国が2015年に立ち上げた「中国ASEAN情報港構想」(China-ASEAN Information Harbour Forum)は、中国と東南アジアをハイスピード・インターネットでつなぐ計画。ベトナムに程近い中国・南寧市で昨年9月に「デジタル・シルクロード建設によるデジタル経済の共有」をテーマに、3回目のフォーラムを開いた。インフラ整備進展は遅いようだが、2015年、16年に続ききっちりフォーラムを開き、各国から人を呼んでいる。

 今年に入ってからは、

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筆者

佐藤剛己

佐藤剛己(さとう・つよき) ハミングバード・アドバイザリーズ(Hummingbird Advisories)CEO

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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