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豊かな江戸時代の庶民

 そして、江戸時代の日本はかなり平等な世界だったのだ。アメリカのジャパノロジスト、スーザン・ハンレーは「……1850年の時点で住む場所を選ばなくてはならないなら、私が裕福であるならイギリスに、労働者階級であれば日本に住みたいと思う」(スーザン・ハンレー著・指昭博訳『江戸時代の遺産-庶民の生活文化』中央公論社、1990年)と述べているが、日本の庶民の生活レベル、また庶民文化の豊かさはイギリスにも勝るものだったのだ。

拡大江戸の町並みは17世紀前半にほぼできあがったという=東京・両国の江戸東京博物館

 江戸時代、日本の庶民の暮らし向きは、比較的高い農業の生産性に支えられ、生存ギリギリよりかなり上にあったと推測されている。居住環境も一般的に豊かで多くの人々はそこそこの家に居住していた。スーザン・ハンレーは開放的な日本の住居を「禁欲的ぜいたくさ」と表現しているが、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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