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著作権を金継ぎする/デジタル・リマスタリング権

神様から著作権法を一ヵ所だけ変える力を貰ったら(4)

永井幸輔 弁護士

拡大Lia_t/shutterstock.com

保護期間延長による著作物流通の停滞を覆すために

 著作権保護期間が70年に延長されたのは、昨年末の12月30日でした。

 著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(thinkC)やクリエイティブ・コモンズ・ジャパンでの活動を通して、この問題に10年近く取り組んできたこともあり、私も悔しさを強く感じたのですが、何よりも「法律」というアプローチ自体に大きな失望を感じてしまいました。

 短くない時間をかけて、多くの有識者や賛同者の方々の声を集めて醸成してきた議論と、延長は見送るべきだという結論が、不透明な政府内の決定で本当にあっけなく、覆ってしまいました。(1月10日に開催されたシンポジウム「著作権延長後の世界で、我われは何をすべきか」でも同趣旨のプレゼンを本稿とは違う視点から行ったので、ご興味があればご参照ください〈こちら〉)

 ただ、過去を振り返っても仕方がありません。今必要なのは、保護期間延長の影響で今以上に停滞するだろう著作物流通について、その停滞を覆せるような方策を考えて実装することです。

 そこで今回、神様からいただいた「著作権法を一ヵ所だけ変える力」を使って、作品のアーカイブを促進する方策の一つとして、「デジタル・リマスタリング権」を考えてみたいと思います。

 また、もう一つのテーマとして、「“金継ぎ”する著作権」と置いてみました。デジタル・リマスタリングと金継ぎという全くことなる2つの手法を、著作権というテーマの下でうまく“継いで”みたいと思います。

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筆者

永井幸輔

永井幸輔(ながい・こうすけ) 弁護士

弁護士/特定非営利活動法人コモンスフィア(Creative Commons Japan)理事/Arts and Law。インターネット企業にインハウス弁護士として勤務しつつ、美術・演劇・ファッション・出版・映画・音楽などの文化芸術とインターネットやテックの交錯する領域を中心に法務アドバイスを提供。執筆・編集に『ファッションは更新できるのか?会議 人と服と社会のプロセス・イノベーションを夢想する』(フィルムアート社)、「著作権をめぐる表現と権利の物語」(MdN2018年2月号)、「自分ごとの著作権。」(MdN2016年1月号)、「デザイナーのための著作権と法律講座」(MdN、共同担当)、「法は創造性をつぶすのか」(広告2013年5月号)等。