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フロンティアの消滅

 近代資本主義はより遠くへ、そしてより速く進展することで展開してきたのだが、もうフロンティアは消滅し、より遠くにより速く進むことが不可能になってしまったのだ。そして利潤率は低下し、利子率も大きく減少することになってしまったのだった。長い16世紀が中世を終わらせたように、長い21世紀の低利子率は近代資本主義を終わらせようとしているのだ。いまや、より近く、よりゆっくり歩まざるを得ないポスト・モダンの時期に入ってきたといえるのだろう。

 日本を始め多くの先進国は成長の時代から成熟の時代に入ってきたのだろう。成長率は1%前後、インフレ率もゼロから2%の範囲内で、こうした成熟の局面で豊かさを享受する時代になってきたのだ。ポルトガルがその繁栄のピークを迎えた時の格言で「今日よりいい明日はない」というフレーズがあったが、まさに、現在の日本もこうした局面に入ってきたといえるのだろう。

トップランナーの日本

 成熟時代は前述したように、より近く、よりゆっくり進まざるを得ない。そして、この時代のキーコンセプトは、おそらく、環境・安全・健康等なのだろう。日本は、 ・・・ログインして読む
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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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