山口智久(やまぐち・ともひさ) 朝日新聞オピニオン編集長代理
1970年生まれ。1994年、朝日新聞社入社。科学部、経済部、文化くらし報道部で、主に環境、技術開発、社会保障を取材。2011年以降は文化くらし報道部、経済部、特別報道部、科学医療部でデスクを務めた。2016年5月から2018年10月まで人事部採用担当部長。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
温暖化対策を訴え金曜日に国会前に座り込む「Fridays For Future」
金髪の男子高校2年生の酒井功雄さん(18)は一昨年、アメリカ・ミシガン州の高校へ10カ月間、留学した。授業で環境科学を学んだ。教科書を読み込んでいくと、地球がどんどん悪化していくことがわかった。すぐに対策しないと手遅れになる。
それまで温暖化は、どこか遠くで起きていることだと思っていたが、知識を得るに従って「やばいことになっている」と感じるようになった。
昨年末から環境NGO「350」でボランティアを始めた。
「いまのうちから止めないと、すぐにでも手遅れになってしまう。やり直すことはできない。その時、生き残っているのはいまこの世界を支配している大人の人たちじゃなく、僕たちだったり、僕たちの先の世代だったりする。もっと環境問題を学んで、自分たちが向かっている将来のことをきちんと知ってほしい」
取材した3人はいずれも環境NGOに関わっていて、本人たちは認めないだろうが、いわゆる「意識高い系」なのかもしれない。ただ、たまたま地球温暖化について知ったところ、「これはやばい」と感じ、何かはせずにいられず、何をしていいのかわからないから、とりあえず環境NGOに行き着いたのだろう。
だから、3人とも政府に対策を求めるというよりは、まずは「知ってほしい」と訴える。知れば、自分たちが生きる未来を確保するために行動せずにはいられなくなる。
小出さんが最も共感したグレタさんの言葉は「大人は、子供たちのことを大切に思っていると言いながら、行動がそうなっていない」というもの。地球温暖化の影響について知った時の恐怖感は、若者たちの方が強いことを改めて思い知らされた。
次は3月15日(金)に、世界的な統一行動が企画されている。