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 かつて世界の大国の中で高度成長を続けたのは中国だった。1970~2008年の年平均成長率は9.8%と10%に近い成長を達成したが、2010年代に入ると成長率は低下し、2015年には6%台まで下ってきている。高度成長期は終焉し、安定成長期に入ってきたといえるのだろう。2014年には中国の成長率はインドのそれを下回り(2014年の成長率はインドが7.41%、中国が7.3%)、2018年にはIMFの予測(2018年10月の推計)によるとインド7.30%、中国6.60%となっている。

拡大インドのモディ首相(左)との首脳会談の冒頭、握手を交わす安倍晋三首相=2018年10月29日、首相官邸

 2014年5月にナレンドラ・モディ前グジャラート州首相がインド人民党(BJP)を率いて首相に就任、「モディノミクス」と呼ばれる成長政策を積極的に推し進めている。7.30%という成長率は大国の中では最も高いもので、今後とも7~8%の成長を続けると予測されている。

 インドの名目GDPは2.602兆USドルとアメリカの13.6%(アメリカの名目GDPは19.485兆USドル)、中国の21.7%とまだまだ低いレベルなので、今後の経済政策の運営が適切になされれば、7~8%の成長率を維持することは十分可能なのだ。プライスウォーターハウス・クーパース(PwC)は「2050年の世界」(2017年2月7日発表)という調査レポートを発表しているが、このレポートによると、2015年~2050年のインドの実質GDPの年平均成長率は4.9%と、ナイジェリア(5.4%)、ベトナム(5.3%)、バングラデシュ(5.1%)に次ぐ世界第4位。ちなみに、この時期は中国の年平均成長率は3.4%、アメリカは2.4%、日本は1.4%となっている。

2050年に世界ナンバー2の予測

 高い成長率を持続することによって、インドのPPPベースGDP(2014年基準)が2040年前後にアメリカのそれを抜き、2050年には中国(61.079兆USドル)に次ぐ世界のナンバー2になると予測されている(インドのGDPは42.205兆USドル、アメリカのそれは41.384兆USドル)。ちなみに、日本はナンバー7で7.914兆USドルとされている。ナンバー4はインドネシア(12.210兆USドル)なので、トップ7のうち4か国がアジアの国々。2050年にむけて、アジアが世界経済の中心になっていくということなのだ。

 ただ、1人当たり名目GDPでは、アメリカやヨーロッパの国々、それに日本が高く、中国やインドを大きく上回っている(2017年のデータ)。アメリカの1人当たりGDPは5万9792USドル、フランスは3万9933USドル、イギリス3万9800USドル、日本3万8449USドルと、中国の8643USドル、インドの1976USドルを大きく上回っている。これは経済運営がうまくいけば、中国とインド、特にインドが、今後大きく伸びていく可能性が高いということも示しているといえるのだろう。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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