メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

家事の時短化、環境負荷の増大につながるリスクも

余暇の拡大でエネルギー消費量が増加してしまう「時間リバウンド効果」

溝渕健一 松山大学経済学部教授

「時間リバウンド効果」

 しかし、エネルギー経済学の分野では、こういった時短技術やサービスの普及が進むと、エネルギー消費量が増加してしまう可能性があることが指摘されている。これは「時間リバウンド効果」と呼ばれる現象である。

 前述の自動掃除機「ルンバ」を導入する例で、この現象を説明してみる。「ルンバ」を導入することで、これまで人の手で行っていた掃除の時間がそのまま短縮される。この短縮により、新しく生み出された自由に使える時間が、もし、テレビを見たり、ゲームをしたりする時間に使われたとする。このテレビやゲームは電力を消費する行動であり、また、「ルンバ」を使用しなかったら、本来起こり得なかった追加的な行動でもある。そのため、もしこのような追加的な行動が起これば、「ルンバ」購入前よりも電気使用量が増加してしまうのである。

 もちろん、時短サービスや製品を導入したからといって、必ずしもエネルギー消費量が増えるとは限らない。余った時間を、読書やスポーツ(eスポーツなどは除く)などのように、エネルギー消費を伴わない行動に使った場合、

・・・ログインして読む
(残り:約1770文字/本文:約3320文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

溝渕健一

溝渕健一(みぞぶち・けんいち) 松山大学経済学部教授

1980年兵庫県生まれ 2003年3月 同志社大学経済学部卒業(B.A.) 2005年3月 神戸大学大学院経済学研究科博士前期課程修了(M.A.) 2008年3月 神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 博士(Ph.D.) 松山大学経済学部・講師、准教授を経て、現在、松山大学経済学研究科・教授。 専門分野:環境経済学、応用計量経済学。 研究内容:家庭部門の省エネ行動の実証研究。