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AIで記者の負荷軽減

 最近注目されているのは、お馴染みのAIだ。さすがにAIを病院に潜入させることはできないが、既に一定のフォーマットに従って記事を書く程度の作業はできるようになっており、記者の負荷を減らすという取り組みが行われている。たとえばテクノロジー系ニュースサイトDigidayの記事によれば、ワシントンポスト紙は自社開発したAI「ヘリオグラフ」を使い、前回のリオデジャネイロ・オリンピックの際に約300本の関連記事を自動生成したそうである。さらに2016年の米大統領選の際には、選挙関連の記事を約500本生成したそうだ。

拡大米大統領選の集会で演説するトランプ氏=2016年11月、ミシガン州グランドラピッズ

 こうしたAIによる記事生成は、事実をあらかじめ用意されたテンプレートに機械的に割り振ることに近く、調査報道とは程遠い。とはいえそうした記事も、これまでは記者が貴重な時間を使って書き上げていたものであり、それがAI化されることで記者は他の(人間にしかできない)作業に時間を割り振ることができる。実際に前述の記事では、AP通信が企業収益の報道にAIを活用した結果、この報道に費やされていた記者の時間を20%解放することができたと伝えている。


筆者

小林啓倫

小林啓倫(こばやし・あきひと) 経営コンサルタント

1973年東京都生まれ、獨協大学外国語学部卒、筑波大学大学院修士課程修了。システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米バブソン大学にてMBAを取得。その後外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業などで活動。著書に『FinTechが変える!金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス』(朝日新聞出版)、『今こそ読みたいマクルーハン』(マイナビ出版)、訳書に『ソーシャル物理学』(アレックス・ペントランド著、草思社)、『データ・アナリティクス3.0』(トーマス・H・ダベンポート著、日経BP)など多数。また国内外にて、最先端技術の動向およびビジネス活用に関するセミナーを手がけている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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