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祝日過多社会の「休み方」改革

「10連休」、あなたはどう過ごす?

土堤内昭雄 公益社団法人 日本フィランソロピー協会シニアフェロー

拡大BlueOrange Studio/shutterstock.com

「働き方」と「休み方」のよい関係

 長時間労働による過労死事件などを契機に「働き方改革」が進んでいる。4月1日には、有給休暇取得の義務化を含む「働き方改革関連法」が施行され、「働き方」と表裏一体である「休み方」改革にも注目が集まっている。

 「どう働くか」は、「どう休むか」と不可分の関係だ。企業にとって従業員がいかに効率的に働いて生産性を高めるか、働く者にとってワーク・ライフ・バランスを図り、いかに豊かな人生を送るか、ともに重要な課題だろう。

 「働き方」=「仕事の仕方」、「休み方」=「休息の取り方」ということではなく、それぞれの改革が相互にもたらす効果が重要だ。仕事=ON、休息=OFFと表現されることがよくあるが、「休息」を取ることは単に仕事をしない「OFF」の時間を意味するものではない。

 適度な運動が早く疲労を回復するように、能動的に休息の回路を「ON」にすることが有効になる。戦略的な「休み方」は仕事のパフォーマンスを高め、新しいアイデアを生み、高い付加価値の創造につながるからだ。

 これまで「休息」は仕事の疲れを癒やすなど、仕事の補完的役割を果たすと考えられてきた。しかし、昼寝や散歩、遊びや長期休暇などの「休息」は、心身の疲労回復だけにとどまらず、人間の創造性と生産性を向上させ、仕事の付加価値を高める。

 連続して長く働くことが必ずしも生産性を高めるわけではない。計画的な仕事の中断がむしろ人間の集中力や生産性を高め、多くの良質な成果を生み出す。すなわち「働き方」と「休み方」の“よい関係”が重要なのだ。

 音楽の楽譜には、音符の間にさまざまな長さの「休符」が挿入される。無音の休符があることで躍動的な音楽が創造される。人生も「労働」と「休息」がうまく組み合わさることで豊かな素晴らしいものになるのではないだろうか。

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筆者

土堤内昭雄

土堤内昭雄(どてうち・あきお) 公益社団法人 日本フィランソロピー協会シニアフェロー

1977年京都大学工学部建築系学科卒業、1985年マサチューセッツ工科大学大学院高等工学研究プログラム修了。1988年ニッセイ基礎研究所入社。2013年東京工業大学大学院博士後期課程(社会工学専攻)満期退学。 「少子高齢化・人口減少とまちづくり」、「コミュニティ・NPOと市民社会」、「男女共同参画とライフデザイン」等に関する調査・研究および講演・執筆を行う。厚生労働省社会保障審議会児童部会委員(2008年~2014年)、順天堂大学国際教養学部非常勤講師(2015年度~)等を務める。著書に『父親が子育てに出会う時』(筒井書房)、『「人口減少」で読み解く時代』(ぎょうせい)など。

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