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ナショナリズム台頭でEUの将来は?

英国、ドイツ、フランス、イタリア……。反EU機運が高まり、歴史的曲がり角に

榊原英資 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

拡大symbiot/shutterstock.com

EUの将来

 欧州連合(EU)は1993年に発効したマーストリヒト条約によって創設されたヨーロッパの経済統合体である。

 EUの前身である欧州共同体(EEC)は1958年1月に設立され、ベルギー・フランス・ドイツ・イタリア・ルクセンブルグ・オランダの6ヶ国が参加していた。

 その後、1973年にデンマーク・アイルランド・イギリスが参加、さらに、1981年にギリシャ、1986年にポルトガル・スペイン・さらに1995年にフィンランド・スウェーデン・オーストリア・2004年にキプロス・チェコ・エストニア・ハンガリー・ラトビア・リトアニア・マルタ・ポーランド・スロバキア・スロベニアが参加、2007年にブルガリア・ルーマニア、2013年にクロアチアが参加し、合計28ヶ国がEUに参加することになったのだった。

 その後も拡大の傾向は続き、2019年の2月現在、トルコ・北マケドニア・モンテネグロ・セルビア・アルバニアの5ヶ国が正式な加盟候補国として認定されている。また、ボスニア・ヘルツェゴヴィナとコソボは潜在的加盟候補国と見なされているが、正式な加盟候補国としての地位は与えられていない。

 各加盟国はEUの諸機関に対して代表を出している。正式な加盟国となるとそれぞれの政府は欧州連合理事会や欧州理事会に議席が与えられる。現在、欧州理事会議長は元ポーランド首相のドナルド・ドゥスク、欧州議会議長はイタリアのアントニオ・タイヤ―ニ、欧州委員会委員長はルクセンブルグのジャン=クロード・ユンケルになっている。

 また、1998年6月には欧州中央銀行(ECB)が設立され、ユーロ圏19ヶ国の金融政策を担っている。EU28ヶ国のうち、デンマーク・スウェーデン・イギリス・ブルガリア・チェコ・ハンガリー・ポーランド・ルーマニア・クロアチアの9ヶ国はユーロを導入せず、それぞれ自国通貨を使っている。

 ECBは本店をドイツのフランクフルトに有し、現在の総裁は元イタリア銀行総裁のマリオ・ドラギ。発足時の総裁はオランダのウィム・ドイセンブルグ、2003年にはフランスの元フランス銀行の総裁のジャン=クロード・トリシエが第2代総裁に、そして、2011年に現総裁のマリオ・ドラギに引き継いでいる。

 ECBの役員会は6人で構成され、そのうち4人はユーロ圏でも大国とされるフランス・ドイツ・イタリア・スペインの中央銀行出身者が占めることになっている。総裁も初代のウィム・ドイセンベルグはオランダ出身だったが、2代目のジャン=クロード・トリシエ、3代目のマリオ・ドラギはこの4大国から出ている。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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