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Nisaのケース

 インドネシア出身のNisa(仮名)は、シンガポールの家庭で住み込みとして働いていたが、夫婦の娘からの虐待と、飼い犬から噛まれるなどの暴行を受けていた。雇用家族はNisaの治療を拒んだことから健康が悪化、一時インドネシアの家族の元へ帰国することになった。しかし、家族で唯一の働き手だったNisaは再び働きに出ることになり、今度はエージェントの紹介でマレーシアの奥地へ送られることになった。

 この案件を当初から追跡、Nisaをサポートしていたのが、JWBと提携するシンガポールのHumanitarian Organisation for Migration Economics(HOME)という別のサポート団体。HOMEから2018年初頭に連絡を受けたJWBは、Nisaのケースを検討、損害賠償請求に持ち込むことが可能と判断し、シンガポールの雇用主に対して請求を開始した。先方の弁護士を通じて雇用主が賠償支払いに応じたのは、半年以上経った今年3月のことだった。

 このケースが画期的だったのは、JWBに協力する米国の著名弁護士事務所のシンガポール提携事務所が初期段階からボランティアのプロボノ弁護士を派遣、シンガポールでのNisaの法律面での権利を保護しながら相手と交渉できたことが挙げられる。またJWBは、マレーシアでNisaが働いている間も連絡を取り続け、精神面でのサポートを続けた。

原告のビデオ出廷を認めた香港裁判所

 Nisaのケースは日本でいう和解による解決だが、原告が当該地不在のまま裁判所に訴えを提起し、係争を続けることを可能にすることを、JWBは一つの大きな目標にしている。メイドが訴えを起こす場合、 ・・・ログインして読む
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筆者

佐藤剛己

佐藤剛己(さとう・つよき) ハミングバード・アドバイザリーズ(Hummingbird Advisories)CEO

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