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拡大メガハウスの「祝!令和ルービックキューブ」

「令和」への改元が生み出す需要

 新元号が「令和」に決まり、天皇皇后両陛下が伊勢神宮へ退位の報告をされる「親謁の儀」が執り行われるなど、改元ムードが盛り上がるにつれて、その経済効果をどう考えれば良いのか聞かれることが増えたので、簡単に整理したい。

 まず、改元に伴って必然的に発生するものとして挙げられるのは、企業や金融機関、役所を中心に対応を迫られる、「平成」から「令和」への表記書き換えであろう。アナログの世界ではハンコの買い替え、デジタルではシステム対応となる。株式市場では、既に昨年から「改元銘柄」として、帳票印刷やシステム変更関連企業、少し変わったところではハンコのインターネット通販企業などが注目されていた。

 平成への改元の際はどうだったのか。昭和が終わり、平成が始まったのは1989年1月8日からであるが、その直後に印刷需要6千億円(GDPの0.1%程度)という観測が報じられ、ハンコ業界はフル回転、コンピューターソフト会社は休日返上で書き換えに追われ、前年終盤に3万円を超えた日経平均株価は高値更新が続くなど、当初は大いに盛り上がった。しかしながら、ハンコ需要は1週間程度で一巡、印刷業界は天皇崩御への配慮や実際に自粛の動きもあって「特需」を否定、ソフトウエアの対応は速やかに進み、「改元対応」需要は思ったより早く一巡した。また、ゴム印の中には1カ月で10年分売り切った商品もあり、需要の先食いという面もあった。それでも、改元によって追加的な需要が発生し、業種は限られるとはいえ景気を押し上げたことは事実である。

 今回は、改元まで1カ月の準備期間があるため、こうした追加需要を平成の時より無理なく消化できる。その意味で、恩恵を受ける業界にとっては良心的な特需になっていると言えるだろう。

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筆者

武田淳

武田淳(たけだ・あつし) 伊藤忠総研チーフエコノミスト

1966年生まれ。大阪大学工学部応用物理学科卒業。第一勧業銀行に入行。第一勧銀総合研究所、日本経済研究センター、みずほ総合研究所の研究員、みずほ銀行総合コンサルティング部参事役などを歴任。2009年に伊藤忠商事に移り、伊藤忠経済研究所、伊藤忠総研でチーフエコノミストをつとめる。

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