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自動運転車の安全基準づくりで日米3社が連携

実用化に向けて大きな一歩

片山修 経済ジャーナリスト、経営評論家

人に頼らない自律運転を目指すIT企業

拡大米ウェイモの自動運転車=2019年1月、ラスベガス

 自動車メーカーが、基本的に人が運転することを前提にクルマを開発しているのに対して、IT企業はあくまでもAI(人工知能)の精度を高め、一切、人に頼らない完全な自律運転を目指している。

 先頭を走っているのは、09年に自動運転車の開発をスタートしたグーグルだ。その兄弟会社ウェイモは、2012年にネバダ州で米国初の自動運転車専用のライセンスを取得して以降、同州やカリフォルニア州などで公道実験を実施している。公道での自律運転車の走行距離は、世界最長の1000万マイル(1610万キロ)を達成した。

 さらに、ウェイモは18年12月、アリゾナ州フェニックスで自動運転を使った配車サービス「Waymo One」を商用化したと発表した。ウェイモが開発した専用アプリをダウンロードし、乗車位置と目的地を指定。迎えにきた自動運転車に乗車し、車内のディスプレー上のスタートを示すアイコンに触れると、クルマが動き始める仕組みだ。

 ただし、このサービスは、条件つきだ。万が一、クルマが予期せぬ動作をした場合に備えて、人間が運転席に座るという条件がついている。信頼性の高いシステムの構築は、同社の当初の予想よりはるかにむずかしく、自動運転が人の監視なく行われる段階には達していないことを、図らずも露呈してしまったと見ていい。

 自動車メーカーが危機感を持つのは、AIや関連インフラが、自動車の性能や製造よりも重要になれば、自動車メーカーの地位が相対的に低下することだ。かりにも、そうなれば、自動車メーカーがIT企業の下請けになってしまうかもしれないと、自動車メーカーは恐れているのだ。

 GMの自動運転子会社のGMクルーズは、完全自動運転の開発を強化し、ウェイモの1年遅れとなる19年内の自動運転の実用化を目指す方針だ。

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筆者

片山修

片山修(かたやま・おさむ) 経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)8万部のベストセラー。『本田宗一郎と昭和の男たち』(文春新書)、『人を動かすリーダーの言葉 113人の経営者はこう考えた』(PHP新書)、『なぜザ・プレミアム・モルツは売れ続けるのか?』(小学館文庫)、『サムスン・クライシス』(張相秀との共著・文藝春秋)、『社員を幸せにする会社』(東洋経済新報社)など、著書は50冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。 公式ホームページ

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