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ESG投資 欧州主導からの転換を

日本で急速に広がるESG投資。日本の政府や企業は基準策定に積極的にかかわるべきだ

根本直子 早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授/アジア開発銀行研究所、 エコノミスト

日本の政府や企業は基準策定に積極的関与を

 また海外では、たばこやアルコール、石炭関連など特定の業種、業態の企業を一律に除外するネガティブスクリーニングという手法が普及している。グローバルなESG投資の約6割はこの手法を採用している。一例としてノルウェーの政府年金基金は、石炭関連事業の比率が高いことから、日本の電力会社数社への投資を引き揚げている。

 ESG投資の目的が社会課題の解決にあるとすれば、ネガティブスクリーニングが効果的な手法なのか疑問も感じる。炭素排出量の多い企業、環境負荷の大きい企業が、問題を改善させる意欲を持つことがより有益ではないか。

 日本では、企業との目的を持った対話を重視する「エンゲージメント」という手法がより一般的だ。またESGの取り組みを強化している企業は、業界内でのポジションが有利になると予想されるが、同じ業界ということで一律に扱うとすればリターンの機会を逃すことにもなる。

 以上のように、ESGに関する海外の基準は、投資先の実状を十分に理解していなかったり、白か黒か画一的に判断する、といった側面もある。

 筆者は、日本の政府や企業はESGの基準策定に積極的に関わり、多様な視点を持ち込むべきだと考える。

拡大NicoElNino/shutterstock.com

G20議長国として指針を

 日本政府や企業はどう対処すればいいのか。

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筆者

根本直子

根本直子(ねもと・なおこ) 早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授/アジア開発銀行研究所、 エコノミスト

日本銀行、S&Pグローバル、マネージング・ディレクターを経て現職。主なリサーチ分野は、金融機関経営、日本およびアジアの金融市場、包摂的成長。 早稲田大学法学部、シカゴ大学経営大学院、一橋大学商学研究科、商学(博士) 主な著書に「韓国モデルー金融再生の鍵」「残る銀行沈む銀行―金融危機後の構図」 財務省 関税・外国為替等審議会委員、中部電力、コンコルディア・フィナンシャルグループ社外取締役、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) 経営管理委員。

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