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「自民党はリベラル」という若者の認識を考える

森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹

安倍政権の経済政策は?

 このように分類したうえで、わが国の自民党、とりわけ安倍政権の経済政策が、リベラルかどうかを考えてみた。

 第1のメルクマールは、政府の規模である。大きな政府はリベラル、小さな政府は保守という立場からの分析である。

 税・社会保障の国民所得に対する負担割合である国民負担率の変化を見てみよう。安倍政権の発足時(2013年度)は39.9%であったが、2018年度には42.5%と、2.6ポイント上昇している。

 内訳を見ると、税負担の増加が1.8ポイント、社会保険負担が0.8ポイント増となっており、高齢化に応じて税や社会保障負担を引き上げて社会保障を拡充してきたといえよう。

 ただし、社会保障負担の大宗を占めるのは社会保険料負担で、04年の年金改革で決まった長期間に及ぶ年金保険料負担の増加によるもので、安倍政権の政策とはいいがたい。また税負担の増加も、三党合意の消費増税(8%への引き上げ)が大きく寄与しており、これも安倍政権の政策といえない面があるが、いずれも自民党が関与した政策であるということはできる。

 さらに本年10月からの10%への消費税率引き上げが決まれば、政府の規模はもっと拡大するので、この面のリベラル度は上がるといえよう。

 一方、財政目標(プライマリーバランス黒字化)は5年の先送りも行われており、リベラルというより単なるバラマキ、さらには更世代へ負担を先送りするだけのポピュリズムという批判がある。筆者もそう考えるが、

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筆者

森信茂樹

森信茂樹(もりのぶ・しげき) 東京財団政策研究所研究主幹

1950年生まれ、法学博士(租税法)。京都大学法学部を卒業後、大蔵省入省。1998年主税局総務課長、1999年大阪大学法学研究科教授、2003年東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、2005年財務総合政策研究所長、2006年財務省退官。この間東京大学法学政治学研究科客員教授、コロンビアロースクール客員研究員。06年から18年まで中央大学法科大学院教授、(一社)ジャパン・タックス・インスティチュート(japantax.jp)所長。10年から12年まで政府税制調査会特別委員。日本ペンクラブ会員。著書に、『デジタル経済と税』(日本経済新聞出版)『税で日本はよみがえる』(日本経済新聞出版)、『未来を拓くマイナンバー』(中央経済社)『消費税、常識のウソ』(朝日新書)『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)、『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)、『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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