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世界初!「AIポン」誕生の裏側

スマホでニュースを読む時代。音声をリアルタイムで字幕表示するシステムが必要だ

渡邉 星 「けやきヒルズ」プロデューサー

100%正しくない字幕を出して良いのか

 課題になったのが“精度”です。市販のAIスピーカーに話しかけるとき、人は「AIに自分の言葉を認識させよう」として話しかけます。認識率は非常に高いです。しかし放送中の音声の多くは「複数の人間の会話」です。どうしても認識精度にばらつきがでて誤字を表示してしまうのです。

 AbemaNewsチャンネルを制作しているのはテレビ朝日の報道局です。「報道局制作の番組で100%正しくない字幕を出してもいいのか」というのがシステム導入の大きなネックになっていました。

 そんな課題を打ち破ったのが、サイバーエージェント藤田晋社長の一言でした。

 「親しまれやすい、間違いを許してあげたくなるような名前をシステム自体につければいい」

 そんな名前をつけることで、100%正しいものではないことをあらかじめ提示し、「そもそも完璧さを求めない姿勢」を打ち出そうというわけです。

 そんなわけで名前は「AI」を「アイ」と読み、「AIが“ポン”と気軽に字幕を出す」という意味を込めて「AI(アイ)ポン」としました。デザインはAIポンが“一生懸命文字を打ち込んでいる印象”を与えるように、「一文字ずつのタイピング」にこだわりました。さらにAI音声認識は、前後の文脈から単語を推測して表示するのですが、確定前の候補もあえて表示して打ち直しさせ、“まるで思案しているように見える動き”をデザインしてみました。

 つまりイチローさんの会見での「誤字」はAIポンを作るときから“織り込み済み”だったのです。

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筆者

渡邉 星

渡邉 星(わたなべ・ひかる) 「けやきヒルズ」プロデューサー

1988年生まれ。2012年テレビ朝日入社。朝の情報番組で4年間AD、ディレクターを担当、2016年7月からAbemaTV「AbemaNewsチャンネル」でコンテンツ制作。「ランチにニュースをアップデート!」をコンセプトにした平日お昼のニュース番組 「けやきヒルズ」のほか、チャンネル全体編成・宣伝戦略なども担当。