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注目集める究極のモビリティサービス「MaaS」

まちづくりと一体化したサービスの展開に大きな期待

片山修 経済ジャーナリスト、経営評論家

官民連携でMaaSに取り組んでいる日本

 それに対して、〝日本版MaaS〟は、町づくりとの連携を強く意識している。政府の成長戦略「未来投資戦略2018」は、「まちづくりと公共交通の連携を推進しつつ、自動走行など新技術の活用、まちづくりと連携した効率的な輸送手段、買い物支援・見守りサービス、MaaSなどの施策連携により、利用者ニーズに即した新しいモビリティサービスのモデル都市、地域をつくる」と、提言している。

 また、フィンランドのMaaSグローバルが行政主導型、ロサンゼルスが自治体主導型、中国が国家主導型なのに対して、日本版MaaSは、政府や行政のリーダーシップはあるものの、官民連携でMaaSに取り組んでいる点が大きな相違点である。自動車メーカーやバス会社、鉄道会社などのほか、小売り、物流、医療、エンタテインメント、金融、保険、飲食、旅行、不動産、教育など、さまざまな業種の事業者がMaaSに関心を示している例は、日本以外にないといっていい。

 「モネ・テクノロジーズ」は3月28日、「モネ・コンソーシアム」を設立し、ホンダ、日野自動車と業務提携した。このほか、「モネ・コンソーシアム」には、JR東日本、東急電鉄、サントリーホールディングス、三菱地所、三井不動産、ヤマト運輸、東京海上日動など88社が参加している。

 3月28日の「モネ・サミット」には、豊田章男氏がサプライズゲストとして登壇し、「ホンダと日野自動車も加わり、非常にオープンな形で第一歩が踏み出せたんじゃないかなと思います」と、述べた。

 「モネ・テクノロジーズ」には6月28日、マツダ、スズキ、SUBARU、ダイハツ工業、いすゞ自動車も出資する方針を固めた。

 オールジャパンのコンソーシアムが編成されたことの意味は小さくない。何よりも、各企業はそれぞれの分野における日本の課題を知り尽くしている。町づくりと連携したMaaSの取り組みにあたっての強力な武器といっていい。加えて、日本の道路事情、日本の法制度やビジネスにも精通している。

 「モネ・コンソーシアム」は、オールジャパンで日本発の「モネ・プラットフォーム」をつくり、移動データ、ルート検索ログ、車両ログ(走行記録)などのデータを集約する計画だ。

 「最終目標は、日本で走っているすべてのクルマのログが一つのプラットフォームに集まることです」
と、ソフトバンク副社長でモネ・テクノロジーズ社長の宮川潤一氏は、「モネ・サミット」で語った。

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筆者

片山修

片山修(かたやま・おさむ) 経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)8万部のベストセラー。『本田宗一郎と昭和の男たち』(文春新書)、『人を動かすリーダーの言葉 113人の経営者はこう考えた』(PHP新書)、『なぜザ・プレミアム・モルツは売れ続けるのか?』(小学館文庫)、『サムスン・クライシス』(張相秀との共著・文藝春秋)、『社員を幸せにする会社』(東洋経済新報社)など、著書は50冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。 公式ホームページ

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