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韓国を「仮想敵国」に? 半導体輸出規制

政権トップの言動が憎悪とナショナリズムをあおる

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

拡大集合写真の撮影を前に、安倍晋三首相(中央)の前を歩く韓国の文在寅大統領(右)=2019年6月28日、大阪市中央区

韓国パニック「日本は怖い」の声

 日本政府は4日、半導体材料3品目の韓国向け輸出を個別審査する規制を発動した。8月以降は韓国を「ホワイト国」(安全保障上、信頼関係を築く国)の指定から外す。半導体材料だけでなく、電子部品や化学品、工作機械など幅広い分野の製品に輸出規制が広がる可能性がある。

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 半導体メーカーであるサムスン電子やSKハイニクスは、日本以外の国からの代替輸入を検討しているが、品質の確保が大きな壁になる。3品目の在庫は1~4か月分で、日本からの輸出が停滞すれば、半導体の生産ペースや輸出は落ち込む。

 7月6日付朝鮮日報によれば、在庫が1か月分しかないエッチングガス(フッ化水素=半導体の洗浄に使う)は、日本が個別審査に切り換えたことによって、すでに品不足が目立ち始めている。「報復は現実になった。在庫が切れれば工場を止めるしかない」という業界の声を伝えている。

 同紙は、不意打ちを食らってパニックに陥った韓国の内情を伝えている。「大統領府は事態が急変した責任を各省庁に押し付け、省庁はサムスンやSKを呼びつけて事前の情報収集不足を責めている。では、政府や在日大使館は一体何をしてきたのか。日韓対立を放置してきた政府は無策で無責任だ」と厳しく批判している。

 韓国政府はWTO(世界貿易機関)への提訴や国産品開発支援の方針をあわただしく決めたが、うまくいっても成果が出るのは先の話である。韓国紙は「やはり日本は怖い」と見出しを立てている。

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

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