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韓国を「仮想敵国」に? 半導体輸出規制

政権トップの言動が憎悪とナショナリズムをあおる

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

「親日残滓(ざんし)を清算」と文在寅大統領

 一方、文大統領は、戦犯企業約70社を対象とした徴用工裁判について、日韓請求権協定(1965年)に基づく協議を求める日本政府の要請に無反応を通してきた。文政権はこれを「戦略的沈黙」と呼んで正当化している。

 今年の3.1独立記念日(1919年に日本からの独立を求める運動が起き、多くの死者を出した)の演説では、「韓国から親日残滓を清算する」と発言し、国民の反日ナショナリズムに訴えかけた。

 親日残滓とは日帝残滓とも言い、植民地時代の制度、文化、言語、生活慣習などを排斥すべきものとして指す言葉である。日韓慰安婦合意(2015年)で設立された「和解・癒やし財団」も、文政権は最近解散することを決めた。

 日本は韓国のやり方に怒り、韓国は歴史の痛みに鈍感な日本に反感を募らす。悪循環が進めば、政治、経済、軍事、民間交流に至るまで、憎悪にまみれた深刻な分断が生じる。

 朝鮮日報は6日、大統領府が水面下でトランプ大統領に日韓首脳会談の仲介を依頼したがっていると報じた。経済への打撃に焦っているように見える。

「政治問題と通商政策を混同」と米紙報道

 今回の措置では、日本企業も打撃を受ける。半導体材料の輸出規制により、素材メーカーは業績が悪化する。長年、品質改良や営業努力を積み重ねてきた成果が、自国政府によって損壊させられるのである。

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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