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インドの高度成長は続く

経済成長著しい都市トップ10は全てインド。2050年には米国のGDPを抜いている

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

拡大Anton Balazh/Shutterstock.com

人口が減る中国、増えるインド

 2018年、インドは7.05%の成長率を達成した。大国の中では最も高い成長率だった。

 ちなみに、中国の成長率は6.57%、アメリカは2.86%、フランスは1.52%、ドイツは1.45%、イギリスは1.40%、そして日本は0.81%。

 衆知のように、中国は1980年から2010年まで年平均成長率で10%弱を記録したが、2012年には7%台に減速(7.9%)、そして2015年から6%台に入っている(2015年6.20%、2019年はIMFの推計によると6.27%)。

 2018年、中国は1949年に建国されてから初めて人口が減少している(250万人減で14億2765万人)。いわゆる「一人っ子政策」で人口減少の局面に入ってきたのだ。

 ロンドンに本拠を有するコンサルティング・ファーム、プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)の予測によると、2050年には中国の人口13億6000万人まで減少すると予測されている。人口の減少に伴って、経済成功率も低下し、PwCの予測によると、2015~2050年の年平均成長率(実質GDP)は3.4%という推計になっている。

 人口減少に伴って老齢化も進み、成長率が下っていくのだ。

 これに対してインドの同時期の年平均成長率は4.9%とナイジェリア(5.4%)、ベトナム(5.3%)、バングラディシュ(5.1%)に次いで世界で4番目に高い成長率を達成するとされている。

 インドは人口構成も若く、現在、25歳以下の人口が全体の5割を上回っている。今後も人口が増加し続け、2025年前後には中国の人口を超え、2050年には16億6000万人に達すると予測されているのだ。


筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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