経済成長著しい都市トップ10は全てインド。2050年には米国のGDPを抜いている
2019年07月15日
2018年、インドは7.05%の成長率を達成した。大国の中では最も高い成長率だった。
ちなみに、中国の成長率は6.57%、アメリカは2.86%、フランスは1.52%、ドイツは1.45%、イギリスは1.40%、そして日本は0.81%。
衆知のように、中国は1980年から2010年まで年平均成長率で10%弱を記録したが、2012年には7%台に減速(7.9%)、そして2015年から6%台に入っている(2015年6.20%、2019年はIMFの推計によると6.27%)。
2018年、中国は1949年に建国されてから初めて人口が減少している(250万人減で14億2765万人)。いわゆる「一人っ子政策」で人口減少の局面に入ってきたのだ。
ロンドンに本拠を有するコンサルティング・ファーム、プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)の予測によると、2050年には中国の人口13億6000万人まで減少すると予測されている。人口の減少に伴って、経済成功率も低下し、PwCの予測によると、2015~2050年の年平均成長率(実質GDP)は3.4%という推計になっている。
人口減少に伴って老齢化も進み、成長率が下っていくのだ。
これに対してインドの同時期の年平均成長率は4.9%とナイジェリア(5.4%)、ベトナム(5.3%)、バングラディシュ(5.1%)に次いで世界で4番目に高い成長率を達成するとされている。
インドは人口構成も若く、現在、25歳以下の人口が全体の5割を上回っている。今後も人口が増加し続け、2025年前後には中国の人口を超え、2050年には16億6000万人に達すると予測されているのだ。
国際連合の経済社会局人口部の予測によると、2050年時点での人口のNo.1はインド、次いで、中国・ナイジェリア・アメリカ合衆国・インドネシア・パキスタン・ブラジル・バングラディシュとなっている。トップ10のうち6ヶ国がアジアの国々。21世紀前半の50年はアジアの世紀だということもできるのだろう。
こうした人口増加、そして、それに伴う経済成長率の増加により、2050年のGDP(PPPベース)のトップは中国で61.079兆米ドル。No.2はインドで42.205兆米ドルとインドがアメリカ合衆国(41.384兆米ドル)を抜いてNo.2になるとPwCは予測しているのだ。
ちなみに、No.4はインドネシア(12.210兆米ドル)No.7は日本(7.914兆米ドル)となっており、トップ7のうち4ヶ国がアジアの国々だ。
さらに2100年までの世界を考えると、人口増加が最も多いのはアフリカ諸国。2050年までに世界の人口は97億人に増加するとされているが、2100年には112億人とさらに15億人増えるとの予測だ(予測は2019年6月の国連のもの)。増加分の8割超はアフリカ諸国が占めるとされているのだ。
現在から2050年までで世界の総人口は23億8000万人増加するとされている。そのうち16.6%はインドだが、23.9%はナイジェリア・コンゴ・エチオピア・タンザニア・ウガンダ等のアフリカの国々。そして2050年から2100年までに増加する15億人のうち12億超はアフリカの人口増加だと予測されている。2050年まではいわば「アジアの時代」だが、2050年から2100年は「アフリカの時代」になる可能性が高いのだ。
もちろん、アフリカの世紀になるためには、経済運営を巧みに行う必要はあるが、ポテンシャルが高いことは確かなのである。
前述したように、2018年のインドの経済成長率は7.05%だが、2019年はIMFの予測によると成長率は7.26%まで上昇するとされている。そして、しばらくは7~8%の成長が続くというのが一般的見方だ。
イギリスのシンクタンク「オックスフォード・エコノミクス」は2019年1月初め、次の20年間で経済成長が著しい世界の都市を発表したが、トップ10はすべてインドの都市だった。
トップはスラートで年平均成長率は9.17%、
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