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「山里亮太さん蒼井優さん結婚会見」の一日

報道を知らなかったチャンネルプロデューサーが生み出した〝記録〟

山本剛史 「AbemaNews」のチャンネルプロデューサー

拡大わずか1時間ほどで番宣VTRを制作し各所で放送

報道を知らなかったプロデューサーに「見えてきたもの」

 「AbemaTV」は、テレビ朝日とサイバーエージェントが共同で出資している事業です。この2社の協力体制、テレビ朝日と「AbemaTV」の制作チームが一緒にコンテンツ作りを担い、サイバーエージェントが中心となってプロダクト開発とマーケティングを実施することによって、「AbemaTV」は成り立っています。

 私は「AbemaNewsチャンネル」のプロデューサーを務めていますが、サイバーエージェント出身で報道は未経験の人間です。

 私自身はインターネットの市場で事業を作っていきたいと考え、新卒でサイバーエージェントに入社しました。入社後は、ポイントプラットフォーム事業の立ち上げ時に参画しました。買い物などで得られる様々な種類のポイントを集約して、ギフト券やマイレージなどに交換できるサービスです。

 ここで営業とサービスプロデューサーを経験、その後「AbemaNewsチャンネル」に携わるようになりました。ニュースに関するバックグラウンドは全くありませんでした。

 「AbemaTV」に来た私が最初に感じたのは、大きな文化の違いでした。テレビ朝日とサイバーエージェントの二社の違いというよりは、テレビ業界とネット業界、大企業とベンチャー企業という違いです。物事の考え方や捉え方、進め方が違うと、様々なところでズレが生じるものです。

 当初、報道経験がない上に社会人歴も浅い私は、テレビ朝日の報道幹部の方と、まともな会話すらできていなかったと思います。

 そんな中で取り組んだのが、どうやって見てもらうか、という施策です。

 会見で実際にやった施策も、今では機能していますが、その形になるまでの道のりは長いものがありました。

 例えば、放送前の外部への展開。地上波はいいものを作れば見てもらえる、そもそも話題を逆算して人を連れてくるということの重要性がそこまで高くありません。ある一定のお客さまがいて、テレビは他のチャンネルとそのパイを取り合う。ネット上にうまくSNSを活用して情報を事前に出していきましょうと言ってもピンとこない。それだったら放送のクオリティをちょっとでもあげるほうに力を割きたくなる。それは組織の文化として作り直す必要がありました。

 一方で、テレビ朝日が持つ報道の速報力、即時に対応する力は、ウェブメディアサービス側からみると新鮮でした。当日にニュースが発生して、そのクリエイティブを当日納期で作る、各SNSアカウントで一気に告知し、視聴者に届ける。これは報道というジャンルだからこそ求められることで、サイバーエージェントで育った人間にとっては、新しい筋肉を使う感覚でした。

 相違を感じながらも、インターネットの新たなマスメディアとして、同じものを目指していく姿勢を追求することを最優先してやってきました。「AbemaNewsチャンネル」に携わるメンバーがそれぞれの立場からそれを解釈し理解し行動にしていく。それがこの開局からの3年で、番組づくりとマーケティング、広くは組織づくりにまで浸透していったと感じます。その積み重ねがついに少し花開いた、と感じたのが、先日の山里亮太さん蒼井優さんの結婚会見の日の出来事でした。

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筆者

山本剛史

山本剛史(やまもと・たけし) 「AbemaNews」のチャンネルプロデューサー

2015年サイバーエージェント入社。ポイントプラットフォーム事業の立ち上げメンバーとして営業とプロデューサーを経験。2016年AbemaTVに出向、2017年より24時間ニュース専門チャンネル「AbemaNews」のチャンネルプロデューサーを担当

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです