2019年08月13日
2018年9月20日の自民党総裁選挙で安倍晋三首相の3選が決定された。2021年10月までの連続3期、9年の就任になったのだ。
明治以来の最長の政権は戦前の桂太郎、戦後の佐藤栄作の8年だったので、明治以来最長の政権ということになる。
安倍首相は2012年に総理に就任する以前、2006年~2007年に1年間首相を務めているので、現時点では合計で7年の就任ということになる。
衆知のように安倍晋三首相は外務大臣・通産大臣等を歴任した安倍晋太郎の次男。岳父は元首相の岸信介という名門。祖父の安倍寛も衆議院議員を2期務めている。元首相の佐藤栄作も大叔父にあたる。
安倍晋三総理だけではなく、安倍内閣には名門家系の2代目、3代目が少なくない。副総理兼財務大臣の麻生太郎は元総理吉田茂の孫、鈴木善幸元総理は岳父にあたる。さらにさかのぼると、曾祖父は牧野伸顕、高祖父は大久保利通という名門政治家系の5代目ということになる。
総務大臣を務めた野田聖子の祖父は野田卯一、大蔵次官を務めたあと専売公社副総裁を経て、政界に進出し、建設大臣や経済企画庁長官などを務めている。野田聖子の旧姓は島、祖母野田光の死去に伴い、祖父野田卯一の養子となり野田姓を継いでいる。
外務大臣河野太郎は外務大臣、内閣官房長官等を務めた河野洋平の長男。祖父は副総理や党幹事長等を務めた自民党の実力者河野一郎、元参議院議長の河野謙三は大叔父にあたる。
文部科学大臣を務めた林芳正は大蔵大臣、厚生大臣等を歴任した林義郎の長男、祖父林佳介も衆議院議員を務めている。林佳介は下関商業開発、山口合同ガスの各社長を歴任し、1970年から1984年までの14年間、下関商工会議所の会頭をしている。高祖父の林平四郎も衆議院議員・貴族院議員を務め下関商工会議所の会頭を務めている。
河野は神奈川県平塚市、林は山口県下関市の名門家系の一員である。
厚生労働大臣を務めた加藤勝信の岳父は加藤六月。旧姓は室崎だったが、加藤六月の娘に婿入りし加藤に改姓している。加藤六月は農林水産大臣や国土庁長官を務めた自民党の実力者だった。
経済産業大臣世耕弘成の伯父は元自治大臣の世耕政隆、祖父は元経済企画長官の世耕弘一である。伯父世耕政隆の死去に伴う参議院和歌山県選挙区の補欠選挙に自民党公認で出馬し、初当選している。
環境大臣を務めた中川雅治の岳父は参議院議員、環境庁長官等を務めた原文兵衛。中川は大蔵省理財局長等を務めたあと環境庁事務次官に就任。2004年に参院選に自民党公認で東京都選挙区から出馬し初当選している。参院東京選挙区は岳父原文兵衛の選挙区だった。
国家公安委員長を務めた小此木八郎の父は元通商産業大臣の小此木彦三郎、祖父の小此木歌治も衆議院議員を務めている。
このように見てくると、安倍政権の官僚は安倍総理と同様、政治家の2代目、3代目が多い。特に、1994年小選挙区比例代表並立制が導入されてから、選挙区が事実上世襲されることが多くなったのだ。
ただ、全員が世襲という訳ではない。
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