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「爆買い」その先へ。中国人観光客が求めるものは

人気が高い日本のテーマパーク。中国人をひきつけるためにできることはまだまだある

山本達郎 株式会社クロスシー 執行役員

キーワードは「テーマ深掘り型」の旅行

 ここで、中国人のキーワードとなっているのが「深度遊」、言い換えれば「テーマ深堀り型」の旅行だ。

 旅行者が関心を持つテーマにそう美術館や博物館を訪れるのはもちろんだが、日本が誇るカルチャーであるアニメの舞台をめぐる「聖地巡礼」もそのひとつだ。中国では映画に対する規制もあり、「となりのトトロ」は昨年、「千と千尋」は今年上映された。もちろん、それよりずっと以前に動画サイトやDVD等で見ていた人たちが多かったのだが、改めて脚光を浴びる格好となっている。

 「三鷹の森ジブリ美術館」や今年3月に埼玉県でオープンした「ムーミンバレーパーク」など、アニメ作品をテーマとしたアミューズメントパークは当然、「深度遊」の対象となる。もちろん、「ハリーポッター」や「進撃の巨人」、「エヴァンゲリオン」などの強力なコンテンツを提供する「ユニバーサルスタジオジャパン(以下、USJ)」が人気スポットとなっていることは言わずもがなだ。USJは来園者の外国人比率もTDRを超える約13%となっており、海外のSNS上でも多くの口コミ情報があふれている。

日本のテーマパークが抱える課題

 このようにインバウンド好調な日本ではあるが、テーマパークの現状をみるに、インバウンド対策に対して課題なしとは言えない。

 第一に言語だ。アトラクションやショーのアナウンスが日本語しかない場合が少なくない。その点、上海ディズニーランドでは、ショーやパレードのアナウンスは基本的に中国語・英語の2か国語で行われている。香港ディズニーランドの場合は、それに広東語が加わるアトラクションも存在する。

 日本のテーマパークでも、せめて英語や中国語、あるいは同時通訳機や翻訳アプリを活用できるようにすると、外国からきた来園者たちもそれぞれの世界観に基づき、アトラクションにより没入することができ、満足度が一段階上がるに違いない。

 第二に時間だ。テーマパークに行くと、「一日がかり」になってしまうというイメージは強く、3泊4日や4泊5日で訪日する観光客にとっては、どうしてもハードルが高くなってしまいがち。例えば「アフター5パス」や、「トワイライトパス」といった夕方から入場できるチケットもあることを、積極的に周知するようにすると、ハードルも随分下がるのではないか。

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 さらに、日本の場合、
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筆者

山本達郎

山本達郎(やまもと・たつお) 株式会社クロスシー 執行役員

1980年生まれ、慶応大卒。2006年に北京でネットマーケティング会社を創業。著書に「中国最大のECサイト タオバオの正体」、「中国版ツイッター ウェイボーを攻略せよ」など。2015年、中国向けメディアやインバウンド・越境販売支援事業を行う 株式会社クロスシーによる買収に伴い、現職に就任。