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グーグル・量子コンピューターで「超計算」に脚光

波動、化学反応、光、生物進化。自然界には超計算がいっぱい。計算パラダイムが始まる

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 グーグルが10月、「量子コンピュータの計算能力を世界で初めて実証した」と発表し、科学界や産業界が騒然としている(下の写真)。

拡大グーグルのサンダー・ピチャイCEOと量子コンピュータ=同社提供

 従来のコンピュータは0か1かの2進法で情報を表して計算するが、量子コンピュータは素粒子の「0でもあり1でもある」という特殊な状態を利用して計算する――と言われても大方の人は理解できないので、「最高のスパコンで1万年かかる計算が、たった3分20秒で解ける」という「超計算」の部分が強調されている。

IBMは「NYに量子コンピュータセンター開設」と発表

 これに対し、IBMが「グーグルの発表は大した成果ではない」と抗議している。

 実はIBMはグーグルより9か月早い今年1月、「世界初の商用量子コンピュータ(IBM Q System One)を開発した。ニューヨークに一般利用者も使えるIBM量子コンピュータセンターを開設する」と発表している(下の2枚の写真)。コンピュータ業界の名門として、グーグルの「世界初」という自慢が我慢ならなかったようだ。

拡大IBMの量子コンピュータ=同社提供

拡大IBMの量子コンピュータ=同社提供

 写真を見て気付くのは、計算機の本体部分が、両社とも縦型の長い筒状のケースに収められ、よく似ていることだ。

 量子コンピュータにはゲート方式とアニーリング方式があり、両社はともにゲート方式を採用している。同方式は超電導(極低温で電気抵抗がゼロになる現象)を利用するので、全体を強力に冷やす必要がある。このため似た設計になったようだ。

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

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