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レアアース中国依存脱却の切り札・ライナスとは

オーストラリアの世界最大級レアアース資源開発会社の安定稼働に一役買う日本

佐藤剛己 ハミングバード・アドバイザリーズ(Hummingbird Advisories)CEO

 オーストラリアにライナス・コーポレーション・リミテッド(Lynas Corporation Limited)というレアアース資源開発会社がある。このライナスのマレーシア精錬工場が2012年の開業以来ようやくフル稼働への見込みが立ちつつある。

 日本では無名に近いライナスだが、中国のそれを除くと世界最大級のレアアース開発会社で、生産量は年間約2万トン(米地質調査所、2018年)、世界生産量の約12%を占める。その半数近くの約8500トンが日本向け(需要の約30%、計画ベース)で、今回のマレーシア工場フル稼働への道筋をつけたのも実は日本。レアアースの中国依存から脱却したい日本にとっては頼みの綱だったが、ここまでの道のりはまさに山あり谷ありであった。ライナスの来し方と今後の行く末を見てみたい。

中国頼みからの脱却を目指した日本

拡大 EnemyPTBAE/shutterstock.com

 尖閣諸島沖で2010年9月7日、中国の「漁船」と日本の海上保安庁の巡視船が衝突。両国の外交問題に発展した。これを発端に、中国がレアアースの日本輸出制限を課したことで、そのほとんどを中国からの輸入に頼っていた日本の産業界にとっては、輸入先確保が喫緊の課題となった。

 レアアースは、日本では電気自動車用モーター磁石などに使われることで有名だ。近年は代替品も出てきたことから、以前ほどは話題にならなくなった。しかし、世界的にはミサイル誘導装置、人工衛星、暗視装置など軍事用としての需要が高く、「レアアースに対する欧米の認識の高さは日本の比ではない」(米元エネルギー省高官)と言われる。

 レアアースの中国頼みからの脱却を目指すことになった日本が目をつけたのが、すでに日本の大手商社双日と関係があったライナスだった。1983年にオーストラリアで創業された同社は、尖閣事件前年の2009年には中国有色矿业集団公司(CNMMG)から51.6%の買収提案を受けていたが、豪外国投資審査委員会の認可が下りず、資金提供先を探していた。

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筆者

佐藤剛己

佐藤剛己(さとう・つよき) ハミングバード・アドバイザリーズ(Hummingbird Advisories)CEO

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