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山本太郎の「消費税ゼロ」で日本は甦るのか

消費税を廃止し、所得税・法人税を増税して税収を確保できるかを検証する

森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹・中央大学法科大学院特任教授

山本太郎氏が公表した「消費税ゼロで日本は甦る」

 れいわ新選組代表の山本太郎氏が、文藝春秋2月号で「消費税ゼロで日本は甦る」と題する「政策論文」を掲載している。

 消費税を廃止すれば約一か月分の給与である22万円が消費者の手元に返ってくる、中小零細企業は消費税で赤字覚悟の納税をしており、廃止になれば救済される、ということのようである。

 消費税廃止には26~27兆円の財源(地方消費税を含む)が必要なので、税金(増税)と政府の借金増(国債の増発)で賄う。増税は、所得税と法人税で、前者は高所得者への増税、金融所得も合算して累進税率を課す総合課税にする、後者は所得税並みの累進税率を課し、大企業向けの租税特別措置を廃止することを提言している。

 消費税廃止の代替財源は26~27兆円だが、山本氏は9兆円の財源のかかる「奨学金チャラ」も政策として掲げ、かたく見積もっても政策実現にかかる財源は40兆円弱というところだ。

 我々庶民にすれば、全くありがたい提案だが、「フリーランチはない」というのが経済学の金言だ。果たして代替財源に実現可能性はあるのか。

 令和2年度の消費税収(国)は21.7兆円、所得税収は19.5兆円、法人税収は12.0兆円なので、話を単純化し、消費税を廃止した代わりに所得税を10兆円、法人税を10兆円増税するという内容を議論することとしたい。

拡大日本記者クラブでの記者会見に応じる、れいわ新選組の山本太郎代表=2019年12月4日、東京都千代田区

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筆者

森信茂樹

森信茂樹(もりのぶ・しげき) 東京財団政策研究所研究主幹・中央大学法科大学院特任教授

1950年生まれ、法学博士(租税法)。京都大学法学部を卒業後、大蔵省入省。1998年主税局総務課長、1999年大阪大学法学研究科教授、2003年東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、2005年財務総合政策研究所長、2006年財務省退官。この間東京大学法学政治学研究科客員教授、コロンビアロースクール客員研究員。06年から中央大学法科大学院教授、(一社)ジャパン・タックス・インスティチュート(japantax.jp)所長、東京財団上席研究員。10年から12年まで政府税制調査会専門家委員会特別委員。日本ペンクラブ会員。著書に、『税で日本はよみがえる』(日本経済新聞出版)、『未来を拓くマイナンバー』(中央経済社)『消費税、常識のウソ』(朝日新書)『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)、『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)、『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)など。

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