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円安リスクが止まらない? 日本がとるべき道とは

まだ世界一の純債権国でデジタル通貨の議論が活発化した今こそ「円の国際化」の議論を

武田淳 伊藤忠総研チーフエコノミスト

拡大welcomia/shutterstock.com

 今年も年初から金融市場に衝撃が走った。

 1月3日、米国防省は、トランプ大統領の命令によりイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したと発表した。これに対し、イランの最高指導者ハメネイ師は報復を宣言、米国とイランを巡る情勢は一気に緊張が高まった。

 ドル円相場は、それまで米中摩擦の一時停止により1ドル=109円前後まで円安方向に振れていたが、このニュースに続き、8日のイランによる米軍基地へのミサイル攻撃を受けて、一時107円台まで円高が進んだ。ただ、その後は米国、イランとも本格的な軍事衝突を望まないことが確認されたこともあり、すぐに円安方向へ反転、110円台まで円安が進んだ。

リスクが高まっても進まない円高

 昨年8月にトランプ大統領が対中追加関税の第4弾を決めた時も、ドル円相場は109円台から一時104円台まで円高が進んだ。しかしながら、9月1日に予定通り追加関税第4弾が実施された頃には106円台へ戻しており、その後、米中交渉の行き詰まりが報じられても円相場は105円台にすら振れることはなく、円高阻止のための日銀の追加緩和議論も虚しく、円は水準を徐々に切り下げて行った。

 最近の中国における新型肺炎も、景気底入れが期待された中国経済を再び落ち込ませそうな状況となりつつあり、金融市場では再びリスクへの警戒が強まってドル円相場は110円台からじりじりと円高が進んでいる。ただ、悪影響の広がりが日々伝わる中で、円高が加速するには至っていない。

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筆者

武田淳

武田淳(たけだ・あつし) 伊藤忠総研チーフエコノミスト

1966年生まれ。大阪大学工学部応用物理学科卒業。第一勧業銀行に入行。第一勧銀総合研究所、日本経済研究センター、みずほ総合研究所の研究員、みずほ銀行総合コンサルティング部参事役などを歴任。2009年に伊藤忠商事に移り、伊藤忠経済研究所、伊藤忠総研でチーフエコノミストをつとめる。

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