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 2020年11月3日、アメリカ大統領選挙が行われる。トランプ大統領は再選を目指し、一般教書演説等で内政や外交・安全保障等での自らの実績をアピールしている。

 第2次世界大戦後、ほとんどの大統領が2期務めている。1期で終わったのは、暗殺されたJ・F・ケネディー、ウォーターゲート事件のあとR・M・ニクソンを継いだジェラルド・フォード、イラン革命やソビエトのアフガン侵攻を許したジミー・カーター、ビル・クリントンによって政権交代を余儀なくされたジョージ・H・W・ブッシュの4人に過ぎない。

 トランプ大統領の前任者バラク・オバマ、ジョージ・W・ブッシュ、ビル・クリントンはそれぞれ2期大統領を務めている(アメリカ大統領は2期8年以上は務められない)。

 唯一の例外はフランクリン・ルーズベルト。第2次世界大戦の有事を理由に4選を果たしている(4期目在任中に死亡)。しかし、その後、1951年に成立した合衆国憲法修正22条第1節で正式に2期までの任期制限を決定している。

拡大トランプ大統領の一般教書演説終了後、原稿を破るペロシ下院議長=2020年2月4日、ワシントン

トランプ最大の懸念は経済動向

 現在トランプ大統領の支持率は40%前後。歴代大統領に比べると低水準だが、就任以来、安定しており、保守層からの圧倒的人気を誇り、その支持基盤は固いとされている。

 ギャラップ調査等によると、共和党の支持層のうち87%が同氏を支持している。トランプ大統領が取り組んだ大型減税や不法移民対策、保守派判事の指名等を評価する声が多い。ただ、民主党支持層でのトランプ支持率は8%、無党派層の支持率も33%にとどまり、トランプ大統領にとっては支持基盤の拡大が再選に向けての課題になるという。

 トランプ大統領にとって最大の不確定要因は経済だ。

 第2次世界以降、2期目を懸けた選挙までにリセッション(景気後退)に見舞われない限り、歴代大統領は再選を果たしてきた。1992年の大統領選で敗れたジョージ・ブッシュ(父)、1980年に敗北したジミー・カーターはともにリセッションが致命的になったといわれている。

 ブルンバーグ・ニュースのエコノミスト調査によれば、アメリカが今後1年以内にリセッションに陥る確率は35%だとされている。ただ、このところ失速が見られ、リセッションを予兆するようないくつかの警告も発せられている。トランプ大統領にとって最大の懸念は経済の動向ということなのだろう。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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