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新型コロナ・パンデミック 長期休校がもたらす子ども危機

ESD実践校の住田昌治・横浜市立日枝小学校校長が考える懸念とチャンス

岩崎賢一 朝日新聞バーティカルメディア・エディター

ネット環境の違いが格差を生み出す

――ひとり親の子は、昼食を含めてどのように過ごしているのでしょうか。学校はどこまで把握しているのでしょうか。

 緊急受け入れ事業の参加児童数については、当初100人規模だと予想していました。ところが、30人前後です。学校の規模や実態、家庭事情によって大きく違います。

 今週、全校児童の家庭訪問をします。子どもの健康や安全を確認することが主たる目的です。ただ、会えない家庭もあるでしょうし、インターホン越しになってしまう家庭もあるでしょう。必ず家族が家に居てもらわなければいけないということでもないので、家庭訪問をしても見えない部分があります。

――心配している見えない部分とは何でしょうか。

 一つは、家庭での過ごし方です。急な長期休校なので、対応は家庭によって違ってきます。長時間ゲームをしたり、YouTubeを見たりしている生活も心配です。文科省は人ごみに行かないようにと言っていますが、公園で体を動かすことも必要だと思います。

 いま、オンラインで学習支援をしたり、教材を提供したりするサービスを無料公開する動きがありますが、自宅にインターネットを利用できる環境がなければ子どもたちには届きません。この格差はすごく開いていると思います。

住田昌治さんに聞く拡大自宅で昼食は食べていられるだろうか?(本文の学校とは関係ありません) XiXinXing/Shutterstock.com

――共働きだと夫婦が交代で在宅勤務をしたり、ママ友が交代で子どもたちの面倒をみたりする場合もあります。

 そういう関係性があればいいですが、本当に家で一人ぽつんといるのではないかと思い、心配しています。

 家庭訪問は安否の確認という側面があります。家庭の事情は様々です。学校給食を食べることによって満腹感を得ている子どもたちが、長期休暇によって家庭でちゃんと昼ご飯を食べられているのか、虐待はないかといったことです。学校には、様々な理由で児童相談所がかかわっている子どももいます。長期休暇によって、家の中で子どもと親だけになり、子どもが逃れられないような環境になっていないか、すごく心配です。

 新型コロナも命にかかわることですが、家庭の中でも命にかかわることがあることを忘れてはいけないと思います。家庭訪問をすれば少し見えるかもしれませんが、本人に会わないとわからないこともあります。そのためにも、学校は臨時登校日を設けて教員や友だちと会う機会を作っていく必要があると思います。

 たとえば、半分ぐらいずつ分けて分散登校する方法もあるでしょう。いまは長期休校を見据えて、ケアが必要な子どもにケアをする方法を考える時期に来ていると思います。

 日枝小学校は給食の残食がゼロです。楽しみにしているということもありますが、それによって命をつないでいる子どもたちがまったくいないとは言えないのが現実なのです。

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筆者

岩崎賢一

岩崎賢一(いわさき けんいち) 朝日新聞バーティカルメディア・エディター

1990年朝日新聞社入社。くらし編集部、政治部、社会部、生活部、医療グループ、科学医療部などで医療や暮らしを中心に様々なテーマを生活者の視点から取材。テレビ局ディレクター、アピタル編集、連載「患者を生きる」担当、オピニオン編集部「論座」編集を担当を経て、2020年4月からメディアデザインセンターのバーティカルメディア・エディター。『プロメテウスの罠~病院、奮戦す』『地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン』(分担執筆)。 withnewsにも執筆中。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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