関西電力の金品受領問題で調査報告書
2020年03月20日
関西電力の金品受領問題を調べていた第三者委員会は3月14日、最終的な調査報告書をまとめ、記者会見を開いた。報告書や会見した人の口からは、漫画の世界としか思えないようなキーワードが次々と出てきた。
関電といえば有名大学を出たエリート社員が集まる日本を代表する企業だ。その内実は、数多くのルール違反と保身のためか常識外れの行動が繰り返されていたのである。
調査報告書によると、福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(昨年3月死去)から金品を受け取っていた関電幹部らは75人(子会社や退職を含む)で総額は3億6千万円相当にのぼる。
役員ら23人が総額3億2千万円相当を受け取っていたとした2018年の社内調査(年)に比べ、関係者が52人増えた。金額はそんなに増えていない印象だが、一人あたりにすると77万円分を受け取っていた計算だ。
サラリーマン社会の常識からすれば、すごい金額だ。
一方の関電は森山氏が関係する企業に工事を事前に約束し、実際に発注していたことも明らかになった。森山氏は、この工事の受注を目的に関電の首脳や幹部社員らに金品を配っていたとされた。第三者委は原発工事などの代金が役員らに事実上、還流していたことを認めた。
こんな原発の関連工事に関するルール違反だけではない。報告書にはなんと、「偽札」が登場する。
2015年4月、関電の原子力事業本部副事業本部長は、森山氏の関係する吉田開発(高浜町)の役員に対し、「金品を贈るのをやめてほしい」と伝えた。
それでもこの役員は送るのをやめない。わけを尋ねると、森山氏の指示でやむを得ずやっているという。
そこで、この副事業本部長は一計を案じた。
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