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コロナ経済対策は消費税減税より現金給付~マイナンバーの活用を

所得制限を付け真に必要な世帯に現金給付し、国税・社会保障に必要なインフラ整備を

森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹・中央大学法科大学院特任教授

消費税を減税するリスク

 では消費税減税・凍結はどうか。

 背景にあるのは、消費税に対する根強い反発である。確かに2019年10月からの消費増税が消費の腰をおったことは事実だ。

 しかし中長期的に見ると、個人消費は、幾たびの消費増税にもかかわらず趨勢的に見れば増加してきた。

 例えば3%から5%への引上げ時の実質家計消費支出を見ると、1996年度の254兆円から1997年度の251兆円へとわずかに減少したが、その後は回復。8%引上げ時も、2013年度の294兆円から2014年度287兆円と減少したが、その後回復している。

 欧州諸国の経験でも、経済変動にもかかわらず、長年かけて20%前後の消費税を達成し維持している。

 一方で消費税は、全世代型社会保障の財源の切り札として引き上げられたものである。とりわけ10%への引上げは、幼児教育・保育の無償化の財源となっており、子ども世帯の負担軽減を通じて、わが国で最も重要な施策である少子化対策につながっていく。

 また消費税率を動かすことは、新たな「駆け込み・反動減」を生じさせ、経理システムの改修など事業者の事務負担増は計り知れないものがある。タクシーなどの認可制料金や公共料金、診療報酬なども再設定が必要になり、余分なコストがますます収益を圧迫する。

 最大の問題は、

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筆者

森信茂樹

森信茂樹(もりのぶ・しげき) 東京財団政策研究所研究主幹・中央大学法科大学院特任教授

1950年生まれ、法学博士(租税法)。京都大学法学部を卒業後、大蔵省入省。1998年主税局総務課長、1999年大阪大学法学研究科教授、2003年東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、2005年財務総合政策研究所長、2006年財務省退官。この間東京大学法学政治学研究科客員教授、コロンビアロースクール客員研究員。06年から中央大学法科大学院教授、(一社)ジャパン・タックス・インスティチュート(japantax.jp)所長、東京財団上席研究員。10年から12年まで政府税制調査会専門家委員会特別委員。日本ペンクラブ会員。著書に、『税で日本はよみがえる』(日本経済新聞出版)、『未来を拓くマイナンバー』(中央経済社)『消費税、常識のウソ』(朝日新書)『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)、『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)、『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)など。

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