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新型コロナが社会を変える~オンライン授業、テレワーク。主導権は若い世代へ

コロナが終息してもこの流れは元に戻らない

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

「感染が収まっても元には戻らない」

 文科省は長年にわたって、だれもが同じ授業を受けられるオンライン遠隔授業のための予算を付けてきた。「留学生や社会人、身障者など多様なニーズに応える必要がある」「都市と地方の教育ギャップを埋める必要がある」などが理由だが、大学の対応は鈍かった。

 そこへ新型コロナ感染拡大が起き、各大学は「外出自粛」に備えて、慌ただしくオンライン遠隔授業に踏み切っている。近年、Web技術の進化によって、システムを低コストで構築しやすくなっていることも後押しになった。

 オンライン遠隔授業は4~7月に限定している大学が多いが、東工大大学院の細谷暁夫・名誉教授は「オンライン遠隔授業はやり方次第で効率が良い。若い世代は新技術に好奇心が旺盛だから、感染が収まっても、授業がすべて元の対面方式に戻ることはないだろう」と予測する。

中高年から若い世代へ主導権が移る

 名古屋商科大学の栗本博行教授によれば、オンライン遠隔授業の成功のポイントは、①討論型の授業を行うこと、②指示を明確に出すこと、③だらだら話さないこと、④プレゼン資料を事前に提示しないことだという。

 つまり、オンライン遠隔授業では学生の緊張感が低下しがちなので、教員はモニターで学生を観察しながら、スキルを駆使してテキパキと場を仕切る力量が求められる。旧態依然とした授業では学生はついて来ないというのだ。

 「コロナ後」の世の中では(いつになるかは分からないが)、社会の根底部分で必ず大きな変化が起きる。ネット活用が日常の隅々に入り込む結果、スキルを使いこなしてリーダーシップを発揮する若い世代が社会のあちこちで台頭し、発言権を強めていくだろう。

ITに疎い上司は権限を失う

 一方、企業はいまテレワーク用システムの導入を急いでいる。売れ筋のZOOM(ズーム)やTEAMS(チームズ)の他に、IT系各社が提供する無償支援プログラムが多数ある。これまでイマイチだった普及状況が一変した。

拡大ZOOMを使った出欠確認の様子。時間に合わせ多くの生徒たちがPC前に集まった=2020年3月13日、名古屋市中川区

 3月からテレワークに移行した大手IT企業の40代社員に話を聞いた。 

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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