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コロナ危機が映す格差社会~社会的弱者に犠牲をつけ回すな!

人種、職業、世代、ITデバイド。災害ではまず弱者が犠牲になる

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 新型コロナが社会の分断を露わにしている。

 打撃が大きい宿泊・飲食業の従業員の多くは、雇用保険に非加入のパートやアルバイトである。風俗系など「夜の街」で働く女性たちは、生活困窮の声を上げることすら難しい。

 米国では大都市の死者に占める黒人の比率が異常に高いことが明らかになった。

黒人失業者の多くは無保険状態。高い感染率と死亡率

 米シカゴ市の4月6日までの感染者数は5043人、死者は118人である。黒人は人口比率が約30%だが、感染者に占める比率は52%、死者は71%と2倍を超す。

 中南米移民の感染比率も高い。ニューヨークや南部のルイジアナ、サウスカロライナ州も同じような状況だ。

 米国の失業者は直近で1600万人を超えている。失業すると、賃金だけでなく、勤務先が提供する医療保険も失う。黒人の多くは自己資金で高額の医療保険に加入する余裕がないので、多くは無保険状態に陥ってしまう。

 もともと黒人は栄養の偏りから糖尿病や心疾患などの患者が多い。平均寿命は全米平均に比べ、男女とも3~4歳も短い。

 シカゴ市のライトフット市長は「シカゴの長年の根深い問題が出てきた。医療や仕事、地域投資の不平等さが根底にある」と語った。

 これまで平等の理念で取り繕われてきた米国社会だが、コロナ感染と人種別リスクの関係が残酷な数字として見えてきた。これから人種間の対立感情が悪化する心配がある。

拡大人影が消え、車もまばらな米ニューヨーク市中心部のビジネス街=2020年3月25日

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

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