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コロナ危機が映す格差社会~社会的弱者に犠牲をつけ回すな!

人種、職業、世代、ITデバイド。災害ではまず弱者が犠牲になる

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

宿泊・飲食業で働く238万人のパート・アルバイト

 日本では、非正規労働者は2120万人(下のグラフ)で、そのうちパート・アルバイトは計1490万人。その16%に当たる238万人が、宿泊・飲食業で働いている。

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 この人々が今、解雇の危機にある。各地の労働局に寄せられた相談は、4月9日現在で1700件あるが、これは氷山の一角で、5月以降一気に増える見通しだ。

 パート・アルバイトのほとんどは、週の所定労働時間が20時間未満なので、雇用保険に入れない。このため失業すると、原則として失業手当はもらえず、雇用調整助成金(休業手当を払って雇用を維持する事業者に支給される補助金)も対象外になる。

 今回は政府の経済対策によって、雇用保険に非加入であっても同助成金の対象に加えられた。それは良いことなのだが、同助成金を申請する肝心の勤め先が倒産する恐れがあり、パート・アルバイトの不安は消えない。

300万人超が最終的に解雇の対象になる恐れ

 コロナ感染対策の基本は、人もモノも動かさない、つまり経済を止めるということなので、想像を超えた経済危機になることが予想される。

 2008年のリーマンショックの時、非正規は1765万人(上のグラフ)だったが、その後の景気回復により355万人増えた。もし今回の危機で経済状況がリーマン時に戻るとすれば、増えた300万人超が解雇の対象になる恐れがある。

 それに拍車をかけるのが、この4月から正規と非正規の「同一労働、同一賃金」が施行されることだ。コスト増を嫌う企業が、コロナの影響を口実にして非正規を解雇する動きに出ているので、注意が必要だ。

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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