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コロナ危機で穀物価格は原油に連動して暴落する

食料危機を煽る人の不都合な真実

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

 新型コロナウイルスの影響によって、ロシアやインドなどが輸出制限を行っている。3月31日、FAO、WHO、WTOの事務局長が連名で共同声明を出し、輸出制限の連鎖が起きて国際市場で食料品不足が起きかねないと警告した。

 国連世界食糧計画(WFP)も4月21日、最低限の食料の入手さえ困難になる人が今年は世界で倍増し、2億6500万人に上る可能性があるという推計を発表した。

 このような時には、必ず食料危機を煽るような専門家も出てくる。国内の農業団体だけでなく国際的な農業機関も、農業関連の保護や予算の増加のために、これを利用しようとする。(『「世界人口が増え、食料危機が起きる」のウソ』参照)

 しかし、国際機関が警告するように、食料危機が起きるのだろうか? そもそも、どのような場合に、どのような国によって、輸出制限が行われるのだろうか? 今の国際穀物相場は、どのようにして成り立っているのだろうか?

 残念ながら、国際機関の職員も含め、これらの基本的な事実を知らないで、議論しているようだ。あるいは、彼らにとって不都合な真実を意図的に無視しているのかもしれない。

 新型コロナウイルスの影響で、世界は食料危機とは逆に、穀物価格の暴落を心配すべきなのかもしれないのだ。

拡大Nokwan007/Shutterstock.com

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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。20年東京大学公共政策大学院客員教授。「いま蘇る柳田國男の農政改革」「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

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