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コロナ禍に直面する経営者へ、弁護士からのアドバイス

東京弁護士会中小企業法律支援センターに寄せられる相談内容から

堂野 達之 弁護士

事業者は弁護士にどのような相談をするのか

 新型コロナウイルスに関連して、東弁中小センターに寄せられた相談には、次のようのものがある。

 まず、資金繰りが苦しいので、どうすればよいのかという相談である。弁護士は、政府系金融機関や信用保証協会付きの融資制度や、支払猶予(リスケジュール)の交渉方法を教えたり、資金繰り表の作成をアドバイスする。

 次に、雇用関係である。休業中の従業員に給料や休業手当を支払うべきか、微熱が続いているという従業員に自宅待機を命じるべきか、従業員を休ませた場合の給料を助成する制度はないか、などである。

 賃貸借関係もある。資金繰りが厳しいので賃料の支払いを猶予してもらえないかという相談や、賃料の支払いの猶予を求めたら家主から契約条件の変更を提案されたというケースもある。

 多いのは契約関係である。商取引の多くは、事業者側の商品やサービスを提供する債務と、利用者側の代金を支払う債務が、双方向で関連しているが(「双務契約」とも言われる)、新型コロナウイルスの影響で、前者が履行できなくなったため、反対債務である代金を支払う債務がどうなるのか(事業者からみれば、未収の代金はもらえるのか、受領済みの代金は払い戻さなければならないのか)という形で問題が現れてくる。

 他には、利用者が感染していた場合に、損害賠償請求ができるのかという相談もある。

 また、新型コロナウイルスの感染防止のための新規ビジネスを立ち上げたいので、法令に違反しないかとのチェックをお願いしたいという前向きな内容もある。

 筆者の印象では、新型コロナウイルスの問題が起きる前と比べると、切羽詰まった内容が多いのは当然だが、予防型の相談、つまり、従業員は未だ感染していないが感染したらどうなるのか(それに備えてどうすればよいのか)、資金繰りが苦しくて融資の申込をしているが審査が通らなかったら弁護士に依頼したい、といった先を見据えた内容も増えているように感じている。

拡大ZozerEblola/Shutterstock.com

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筆者

堂野 達之

堂野 達之(どうの・たつゆき) 弁護士

1971年、川崎市生まれ。東京大学法学部卒。2000年弁護士登録。07年から堂野法律事務所パートナー、17年から同事務所所長。経営革新等支援機関認定、日本経営士協会経営士。12年度日本弁護士連合会(日弁連)常務理事、14年度~18年度日弁連中小企業法律支援センター事業再生PT座長、19年度東京弁護士会中小企業法律支援センター本部長代行。「成功する事業承継のしくみと実務」(自由国民社)共著・編集代表、「Q&A中小企業法律支援ハンドブック」(創耕舎)共著・編集など、著書多数。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです