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コロナ禍の今こそ「ポジティブな廃業」に導く「令和の徳政令」を!

未曾有の事態を乗り切る最大の課題は「日本経済の若返り」だ

川原慎一 事業再生コンサルタント

コロナ禍を利用して、廃業へのソフトランディングを試みる

 私が10年来事業再生のお手伝いしている飲食店4店舗を経営する社長(Aさん)から、4月初旬に「相談したいことがある」という電話があった。コロナ禍による「休業要請」が飲食業を直撃している状況にあり、苦悩するAさんの顔を見る覚悟だったが、さっそく会ってみると意外にさわやかな笑顔だった。

 Aさんは開口一番、「いやー参りました。これでは廃業しかないです」という。相談内容は悲惨だが、その表情には微塵の迷いもない。

 Aさんはかつて10店舗ほどの店舗を経営していた。リーマンショックの前後から不採算店舗がではじめ、黒字店舗の売り上げを伸ばしつつ赤字店の閉店と、過剰な債務については銀行交渉を続けて、かれこれ10年間私的再生で事業を継続してきた。Aさん自身も70歳を超えたところに、今回のコロナ禍がやってきたのだ。

 これまでは幾多の経営の山谷を乗り越えてきた経営の「強者」だが、今回の「需要も供給も溶けてしまう」コロナ禍は、かつてない致命的なダメージをAさんにもたらした。

 Aさんはこういった。

 「コロナで自粛要請がでるまえから、残存店舗売却のために動いていました。その目処が立ち、休業の間の従業員への給与支払いもできそうです。ここで新しいオーナーにバトンを渡すのもいいなと決断しました」

 そこで、自らはリタイヤし、ソフトランディングでの廃業を決意したそうだ。

拡大Corona Borealis Studio/Shutterstock.com

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筆者

川原慎一

川原慎一(かわはら・しんいち) 事業再生コンサルタント

1990年代後半、インターネットを利用した旅行関係の企画販売システムを開発してITベンチャーに進出。2000年経営破綻。2億円以上の債務問題を自力で解決。以降、その経験を生かして事業再生コンサルタントとして活躍。飲食業、メーカー、建設業、サービス業等数百社の事業再生に当たる。著書に「先輩、お金の相談にのってください」(東洋経済)、「下町M&A」(平凡社新書)等。中小企業庁事業再生経営改善研究会諮問委員を務める。

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