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日本米の輸出は極めて有望だ

「日本の米はおいしいのになぜ輸出しないのか」「減反で米価が高いから輸出できない」

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

農産物についても“産業内貿易”が進展

 それだけではない。実際には、同じ産業の中で、異なる品質の商品が、相互に輸出されたり、輸入されたりしている。同じ国でも人それぞれ嗜好は異なり、異なる品質の商品を需要するからだ。自動車についても、我が国はベンツ、ルノーやフォードなどを輸入しながら、トヨタ、ニッサン、ホンダなどを輸出している。

 伝統的な国際経済学では、この現象を説明できない。これに着目して、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンは、1979年新しい貿易理論を提示した。

 農産物についても同様である。ワインについては、フランス、アメリカ、オーストラリアなどは、互いにワインを輸出し合っている。アメリカの酒屋に行くと、自国だけではなく、ヨーロッパ、南米、オセアニア、南アフリカなどからのワインが並んでいる。消費者が様々な品質やブランドのものを要求するからである。

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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。20年東京大学公共政策大学院客員教授。「いま蘇る柳田國男の農政改革」「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

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