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白洲次郎のこと~従順ならざる唯一の日本人

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

吉田茂を説得し、日本語で演説させる

拡大1950年、首相特使として米訪問した白洲次郎
 終戦後は外務大臣に就任した吉田茂(1945年)の懇請で終戦連絡中央事務局(終連)の参与に就任し、GHQとの交渉にあたったのである。GHQの要請に対し、イギリス仕込みの英語で堂々と反論し、前述したように、「従順ならざる唯一の日本人」と称されたのである。

 昭和天皇からダグラス・マッカーサーに対するクリスマス・プレゼントを届けた時に「その辺にでも置いてくれ」とぞんざいに扱われたため激怒して「仮にも天皇陛下からの贈り物をその辺に置けとはなにごとか!」と怒鳴りつけ、持ち帰ろうとしてマッカーサーを慌てさせたと言われている。

 妻の白洲正子は渡米しハートリッジ・スクールを卒業し、帰国後、次郎と結婚している。正子は随筆家として多くの著作を発表している。祖父は樺山資紀海軍大将であり、伯爵であった。

 正子は女性として初めての能舞台にも立ち、東奔西走する姿から「韋駄天お正」とあだ名された。読売文学賞を二度受賞している。

 一方、白洲次郎は1949年12月には貿易庁長官に就任、汚職根絶などに辣腕をふるい、商工省を改組して通商産業省(現在の経済産業省)を設立している。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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